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文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻5号

2023年05月発行

文献概要

特集 —疾患別“イルネススクリプト”で学ぶ—「腹痛診療」を磨き上げる22症例 【症例集Ⅳ】高齢者×腹痛

❶大腿ヘルニア

著者: 高江洲怜1 仲里信彦2

所属機関: 1沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 救急・集中治療科 2沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 総合内科

ページ範囲:P.556 - P.557

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Case
患者:90歳、女性。ADL良好。
主訴:右鼠径部の腫脹・疼痛
既往歴:高血圧、脂質異常症、糖尿病、右鼠径部ヘルニア(徒手整復歴あり)
現病歴:受診前日夕方頃より右鼠径部の腫脹・疼痛を自覚し、翌日クリニックを受診。「鼠径部ヘルニア」の診断にて徒手整復を試みられたが、還納されないため当院救急外来へ紹介受診となった。
 自発痛は少なく、腹痛はなし。悪心・嘔吐なし。経過中に発熱を認めず。食事摂取は受診当日まで可能で、排便・排尿状況にも特に異常はないとのこと。
身体所見:身長154 cm、体重42.3 kg。意識清明、体温36.8℃、血圧154/67 mmHg、脈拍数100回/分・整、呼吸数20回/分、SpO2 98%(室内気)。

参考文献

1)日本ヘルニア学会ガイドライン委員会(編):鼠径部ヘルニア診療ガイドライン2015.金原出版,2015. 〈鼠径部ヘルニアの日常診療の指針を示すガイドライン〉
2)小島祐毅,他:鼠径部腫瘤に対する超音波検査の意義.医学検査 63(2) : 154-160, 2014.
3)Goethals A, et al : Femoral Hernia. In StatPearls [Internet]. StatPearls Publishing, Treasure Island (FL), 2022. PMID 30571070 〈大腿ヘルニアに関する体系的なレビュー文献〉
4)渡邉めぐみ,他:大腿ヘルニア嵌頓にて緊急手術を行った47例の検討.日腹部救急医会誌 34(3) : 607-612, 2014. 〈大腿ヘルニアの手術症例105例のうち緊急手術を要した47例の、症状なども含めた臨床的検討が行われている論文〉
5)長谷川芙美,他:大腿ヘルニア偽還納の1例.日臨外会誌73(4) : 1026-1030, 2012.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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