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特集 —疾患別“イルネススクリプト”で学ぶ—「腹痛診療」を磨き上げる22症例 【症例集Ⅳ】高齢者×腹痛
❺結節性多発性動脈炎
著者: 橋本頼和1 仲里信彦2
所属機関: 1沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 腎リウマチ科 2沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 総合内科
ページ範囲:P.565 - P.567
文献購入ページに移動患者:73歳、女性
主訴:腹痛
既往歴:変形性関節症、骨粗鬆症
薬剤歴:アセトアミノフェン、デノスマブ
現病歴:6カ月前から9 kgの体重減少あり。入院2日前から突然、腹痛と食物残渣の嘔吐が出現し、食事がとれなくなった。普段内服しているアセトアミノフェンとNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を服用するも、症状は治まらず腹痛が続くため救急外来を受診した。発熱・下血・血便・下痢などの症状はなく、家族に同様の症状の者はいなかった。
身体所見:脈拍数108回/分、血圧128/80 mmHg、体温37.2℃。局在性がはっきりしない腹部全般の強い痛みであった。反跳痛があったが、腸蠕動音は正常で、肝脾腫・腫瘤は触知しなかった。心音は整で雑音はなく、呼吸音は正常、四肢や皮膚にも色調変化や網状皮斑はなかった。
(文献1より一部改変)
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