文献詳細
文献概要
特集 —疾患別“イルネススクリプト”で学ぶ—「腹痛診療」を磨き上げる22症例 【症例集Ⅴ】さまざまなポピュレーション×腹痛
❷—HIV感染者—アメーバ肝膿瘍
著者: 山本祐資1 齋田瑞恵1 内藤俊夫1
所属機関: 1順天堂大学医学部 総合診療科学講座
ページ範囲:P.570 - P.571
文献購入ページに移動患者:37歳、男性
主訴:心窩部痛
現病歴:HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症で、抗レトロウイルス療法(antiretroviral therapy:ART)を導入し、当院に定期通院中。受診8日前から心窩部痛、左鎖骨から肩峰の鈍痛を自覚し、7日前に37℃台の微熱を認め、市販薬を内服するが改善を認めなかった。4日前には38℃台まで上昇し、心窩部痛・左肩痛が改善しないため、精査目的で受診した。
生活歴:喫煙・飲酒なし
既往歴:30歳;HIV感染症、アメーバ性腸炎
家族歴:特記事項なし
身体所見:意識清明、体温36.5℃、血圧134/
88 mmHg、脈拍数77回/分・整、呼吸数18回/分、SpO2 99%(自発呼吸、室内気)。眼瞼結膜の蒼白・眼球結膜の黄染なし。表在リンパ節は触知せず、皮疹も認めない。腹部は平坦・軟で、圧痛なし。腸音も異常なし。肝・脾は触知しない。
参考文献
掲載誌情報