総合診療33巻5号

2023年05月発行

オール沖縄！カンファレンス｜レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・76

家族に起こった呼吸困難の原因は？

著者： 笹原弘道¹ 上若生¹ 相澤直輝¹ 徳田安春²

所属機関： ¹大浜第一病院 ²臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄センター

ページ範囲：P.590 - P.594

CASE 患者：57歳、男性。　主訴：呼吸苦、発熱。
現病歴：X年2月より労作時の呼吸困難および咳嗽を自覚し、経過をみていたが改善せず、日常生活動作でも呼吸困難感が出現した。X年4月に近医を受診し低酸素血症（SpO₂ 78％、室内気）を認めたため、当院救急外来に救急車で搬送となった。
既往歴：治療中の病気なし（医療機関を数年間受診していない）。
家族歴：母親がX-1年11月より呼吸困難、妹がX年3月より呼吸困難。
内服歴：特記事項なし。
アレルギー歴：特記事項なし。
生活歴：過去に喫煙歴あり（20代前半、数本/日）。飲酒は機会飲酒。無職（家事手伝い）。

参考文献

1）Asai N, et al : Familial summer-type hypersensitivity pneumonitis ; a review of 25 families and 50 cases in Japan. Intern Med 55（3） : 279-283, 2016. PMID 26831024 〈日本における家庭内発症の夏型過敏性肺炎のケースレポート集。実際にどんな臨床経過を辿った例があるのかを知るのに有用である〉

2）Raghu G, et al : Diagnosis of hypersensitivity pneumonitis in adults ; an official ATS-JRS-ALAT clinical practice guideline. Am J Respir Crit Care Med 202（3） : e36-69, 2020. PMID 32706311 〈国際基準における夏型過敏性肺炎の診断基準を知るために有用な論文〉