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投稿 GM Clinical Pictures
原因不明の胃粘膜障害とイレウス
著者: 佐藤沙紀12 笹本貴広2 柴田昌幸2
所属機関: 1上尾中央総合病院 臨床研修センター 2上尾中央総合病院 消化器内科
ページ範囲:P.595 - P.596
文献購入ページに移動患者:80代、男性。主訴:腹部膨満感、下痢、嘔気、食欲不振。
現病歴:生来健康であったが、4週間ほど前から下痢が出現し、2週間前から腹部膨満感や嘔気、食欲不振も自覚したため前医を受診。胃腸炎と診断され、薬物療法で経過観察となったが、改善しないため当科紹介受診となった。血液検査では特記所見はなく、腹部CTでは小腸・大腸の軽度拡張と液体貯留を認めたが、明らかな閉塞起点は認めなかった(図1)。上部消化管内視鏡検査では大腸に異常所見を認めなかったが、胃内に浮腫状発赤粘膜が拡がっており、びらんや潰瘍が散在していた(図2)。
既往歴:脂質異常症。内服薬:ピタバスタチン。
身体所見:身長166 cm、体重55 kg(1カ月で4 kg減少)。体温36.5 ℃、血圧129/79 mmHg(起立性低血圧などの変動なし)、脈拍数114回/分、SpO2 95%(room air)。巨舌なし。皮膚紫斑なし。腹部はやや膨隆しているが軟で、自発痛や圧痛はなし。
検査所見:WBC 3,700/μL、Hb 12.3 g/dL、Plt 23.8×104/μL、Alb 3.9 g/dL、AST 21 IU/L、ALT 10 IU/L、BUN 10.1 mg/dL、Cr 1.03 mg/dL、CRP 0.19 mg/dL
画像所見:腹部CT所見(図1)、上部消化管内視鏡検査所見(図2)。
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