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#総合診療
#書評:腹痛の「なぜ?」がわかる本—痛みのメカニズムがみえれば診療が変わる!
著者: 平島修1
所属機関: 1徳洲会奄美ブロック総合診療研修センター
ページ範囲:P.603 - P.603
文献購入ページに移動 3年前のある勉強会で著者と初めてお会いし、懇親会で「腹痛」の話で盛り上がった。腹痛診療で最も有名な教科書『Cope's Early Diagnosis of the Acute Abdomen』の最新版は22版で(初版1921年)、現在は弟子に引き継がれて出版されているが、初期の版でCope自身が書いたある疾患の所見に対する考察が興味深く、身体診察を深めようとすると自然に古書探しが必要となり、それが楽しいと著者はお話しされていた。医学が大きく進歩したのは1900年前後で、死後の解剖によってしか原因がわからなかった時代から、技術革新により画像診断が可能となり、診断技術は大幅に向上した。今のような検査機器がなかった時代は、病歴・身体所見のみから病態を考え、悩み、決断せざるをえなかった。医師の仕事とは、「考える」ことだったのである。
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