icon fsr

文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻6号

2023年06月発行

文献概要

What's your diagnosis?[246]

刺されて曲がって

著者: 貝田航1 金森真紀1

所属機関: 1神戸市立医療センター中央市民病院 総合内科

ページ範囲:P.636 - P.640

文献購入ページに移動
病歴
患者:49歳、女性。12年前から日本に在住しているミャンマー人
主訴:多関節痛
現病歴:来院53日前から発熱、咳嗽、左手関節痛、右足関節痛、右下腿後面の疼痛が出現した。近医Aで解熱鎮痛薬の点滴(詳細不明)を使用するも、症状の改善は乏しかった。45日前から左手掌に数mm大の皮疹が見られた。42日前に発熱、咳嗽、左手掌の皮疹は軽快したが、四肢の関節痛は残存していた。41日前に近医Bを受診し、アセトアミノフェン、ロキソプロフェンを処方されるも、症状は改善しなかった。14日前に近医Cを受診し、プレドニゾロン10 mgを処方され、5日間内服したが症状は改善せず、その後も関節痛が残存するため当院を受診した。
ROS(-):悪寒戦慄、鼻汁、胸痛、腹痛、嘔気・嘔吐、下痢、血便、膀胱刺激症状
既往歴:なし
内服薬:アセトアミノフェン(頓用のみ継続)
アレルギー:なし
嗜好歴:喫煙なし、飲酒なし
海外渡航歴:来院の73〜45日前にミャンマーの実家に帰省

参考文献

1)Keystone JS : Immigrants returning home to visit friends and relatives (VFRs). In Brunette GW, et al (ed) : CDC Health Information for International Travel 2012, pp547-551, Oxford University Press, 2012. 〈VFRについての解説。一般旅行者よりもVFRのほうが感染率が高いことが紹介されている〉
2)Centers for Disease Control and Prevention:Chikungunya Virus. https://www.cdc.gov/chikungunya/index.html 〈チクングニア感染症の予防から治療まで解説されている〉
3)Rodriguez-Morales AJ, et al : Prevalence of post-chikungunya infection chronic inflammatory arthritis ; a systematic review and meta-analysis. Arthritis Care Res 68(12) : 1849-1858, 2016. PMID 27015439 〈チクングニア感染症の慢性関節炎の有病率について紹介されている〉
4)Javelle E, et al : Specific management of post-chikungunya rheumatic disorders ; a retrospective study of 159 cases in Reunion Island from 2006-2012. PLos Negl Trop Dis 9(3) : 0003603, 2015. PMID 25760632 〈チクングニア感染症の慢性関節炎に対して、メトトレキサートの治療反応性について紹介されている〉
5)Furuya-Kanamori L, et al : Co-distribution and co-infection of chikungunya and dengue viruses. BMC infect Dis 16 : 84, 2016. PMID 26936191 〈チクングニアウイルスとデングウイルスの重複感染について紹介されている〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?