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文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻6号

2023年06月発行

文献概要

特集 知っておくべき!モノクロな薬たち(注:モノクローナル抗体の話ですよ〜) 【第1部 あなたもよく使うモノクロな薬たち(非腫瘍性疾患)】

❺骨粗鬆症・骨軟化症に使用するモノクローナル抗体—デノスマブ、ロモソズマブ、ブロスマブ

著者: 田中健一1 岡田洋右12 田中良哉1

所属機関: 1産業医科大学 医学部 第1内科学講座 2産業医科大学病院 臨床研究推進センター

ページ範囲:P.670 - P.673

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CASE
原発性副甲状腺機能亢進症術後の閉経後骨粗鬆症に対し、ロモソズマブが有用であった1例
患者:60歳、女性。57歳時に原発性副甲状腺機能亢進症と診断され、副甲状腺腫瘍に対し外科的切除された。術前の骨密度Tスコアは腰椎(L1〜4):-4.6、大腿骨頸部(FN):-3.9と著明に低値であったが、1年後の骨密度変化率はL1〜4:+12.6%、FN:+10.6%と上昇した。しかし、術後2年目の前年比骨密度変化率はL1〜4:+1.9%、FN:-0.6%と改善が乏しく、閉経後骨粗鬆症の影響と考えられた。骨折の危険性の高い骨粗鬆症に対してロモソズマブを12カ月使用したところ、前年比骨密度変化率はL1〜4:+22.9%(Tスコア-2.5)、FN:+14.8%(Tスコア-3.1)と著明に上昇した。その後はデノスマブに変更して治療を継続している。

参考文献

1)Cummings SR, et al : FREEDOM trial : Denosumab for prevention of fractures in postmenopausal women with osteoporosis. N Engl J Med 361(8) : 756-765, 2009. PMID 19671655 〈デノスマブの第Ⅲ相FREEDOM試験〉
2)Bone HG, et al : 10 years of denosumab treatment in postmenopausal women with osteoporosis ; results from the phase 3 randomised FREEDOM trial and open-label extension. Lancet Diabetes Endocrinol 5(7) : 513-523, 2017. PMID 28546097 〈第Ⅲ相FREEDOM延長試験〉
3)Cosman F, et al : Romosozumab treatment in postmenopausal women with osteoporosis. N Engl J Med 375(16) : 1532-1543, 2016. PMID 27641143 〈ロモソズマブの第Ⅲ相FRAME試験〉
4)骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会(編):骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版.ライフサイエンス出版,2015. 〈骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインについて詳細に書かれている〉
5)Saag KG, et al : Romosozumab or alendronate for fracture prevention in women with osteoporosis. N Engl J Med 377(15) : 1417-1427, 2017. PMID 28892457 〈アレンドロネートと比較したロモソズマブの第Ⅲ相ARCH試験〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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