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文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻6号

2023年06月発行

文献概要

特集 知っておくべき!モノクロな薬たち(注:モノクローナル抗体の話ですよ〜) 【第1部 あなたもよく使うモノクロな薬たち(非腫瘍性疾患)】

❻片頭痛に使用するモノクローナル抗体—ガルカネズマブ、フレマネズマブ、エレヌマブ

著者: 稲福徹也1

所属機関: 1稲福内科医院

ページ範囲:P.674 - P.677

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CASE
ガルカネズマブにより人生が激変した慢性片頭痛の1例
患者:40代、女性。中学生頃から繰り返し頭痛があり市販薬で対処していた。5年前に頭部MRIを撮影したが異常はなく、2年前にA医院(頭痛専門医)を受診し「慢性片頭痛・薬剤の使用過多による頭痛」1)と診断された。片頭痛予防薬であるバルプロ酸(デパケン®)200 mg 1錠/就寝前が開始され、頭痛日数は月に15日→10日以下に減少していた。しかし2カ月前より仕事が多忙になり、連日スマトリプタン50 mgを使用するようになった。担当医より最近発売されたCGRP(calcitonin gene-related peptide)抗体製剤を紹介され、藁にもすがる思いで開始した。ガルカネズマブ(エムガルティ®)120 mgオートインジェクター2筒を皮下注射したところ、1週間目から「頭のスッキリ感が違う。パソコン作業も進む。自宅でも横になることなく、娘とも会話ができるようになり人生が変わった」と外来受診時に話された。

参考文献

1)日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会(訳):国際頭痛分類,第3版.医学書院,2014.
2)Silberstein SD, et al : Fremanezumab for the preventive treatment of chronic migraine. N Engl J Med 377(22) : 2113-2122, 2017. PMID 29171818
3)Goadsby PJ, et al : A Controlled trial of erenumab for episodic migraine. N Engl J Med 377(22) : 2123-2132, 2017. PMID 29171821
4)Stauffer VL, et al : Evaluation of galcanezumab for the prevention of episodic migraine ; the EVOLVE-1 randomized clinical trial. JAMA Neurol 75(9) : 1080-1088, 2018. PMID 29813147
5)日本神経学会,他(監),「頭痛の診療ガイドライン」作成委員会(編):頭痛の診療のガイドライン,2021.医学書院,2021.
6)日本頭痛学会:CGRP関連新規片頭痛治療薬ガイドライン(暫定版).2021. https://www.jhsnet.net/guideline_CGRP.html(2023年3月7日閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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