文献詳細
文献概要
特集 知っておくべき!モノクロな薬たち(注:モノクローナル抗体の話ですよ〜) 【第2部 これは知っておきたい!モノクロな薬たち(腫瘍性疾患)】
❻白血病に使用されるモノクローナル抗体—イノツズマブ オゾガマイシン、ブリナツモマブ
著者: 藤本亜弓12
所属機関: 1島根大学医学部 血液・腫瘍内科学 2がん研究会がん研究所 分子標的病理プロジェクト
ページ範囲:P.708 - P.711
文献購入ページに移動ブリナツモマブにより同種造血幹細胞移植が実施できた前駆B細胞急性リンパ性白血病
患者:30代、女性。全身倦怠感、発熱、骨痛を主訴にかかりつけ医を受診。当初は感冒が疑われ、解熱鎮痛薬を内服していたが、症状の改善がなく再受診した。血液検査で末梢血中に芽球を認め、血液内科へ紹介となった。骨髄検査の結果、フィラデルフィア染色体陰性の前駆B細胞急性リンパ性白血病と診断し、多剤併用化学療法での治療を開始した。寛解導入療法後に骨髄検査で完全寛解を確認し、治療経過は良好であったが、その約3カ月後に原病の再発を認めたため、治療をブリナツモマブへ変更。投与開始後2日目に38℃以上の発熱を認めたが、対症療法で対応可能であった。悪寒や血圧低下は生じず、見当識障害やけいれんなどの神経症状も認めなかった。計2サイクル実施し、再度完全寛解となり、臍帯血移植を実施した。移植後の経過は良好で、現在も無病で生存している。
参考文献
掲載誌情報