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文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻7号

2023年07月発行

文献概要

Editorial

広すぎる「安全ネット」を安全に狭めるための“消去法”

著者: 青木洋介1

所属機関: 1佐賀大学医学部附属病院 感染制御部

ページ範囲:P.759 - P.759

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1981年、208名の判事を被験者として16件の仮想犯罪事例それぞれに量刑を下す研究が、米国で行われました1)。すると、たとえば、全判事の平均刑期「8.5年」の事例の最長刑期は「終身刑」、あるいは同「1.1年」の最長刑期は「15年」と、かなりのバラつき—ノイズ—があることが判明し、特定の犯罪に固有の量刑の範囲が定められることになりました。このようなことを背景に生まれたのが「ガイドライン」です。
 「診療ガイドライン」も、医師間の診療方針のバラつきをなくし、医療の焦点をゆるやかに絞ることを目的とした診療支援ツールです。しかし、“唯一の真実”というわけではありません。一定方向に偏移すると、ノイズが低減される代わりに「バイアス(≒偏重)」が生じます。

参考文献

1)Kahneman D, et al : Noise. A Flaw in Human Judgement. Little, Brown Spark, 2021.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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