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文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻7号

2023年07月発行

文献概要

What's your diagnosis?[247]

理由に口無し

著者: 松島弘季1 明保洋之1 佐田竜一2

所属機関: 1天理よろづ相談所病院 2大阪大学大学院 変革的感染制御システム開発学

ページ範囲:P.764 - P.768

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病歴
患者:53歳、女性
主訴:腹痛、嘔吐
現病歴:来院5日前と1日前に、突発性の鋭い腹痛、嘔吐を主訴に救急外来を受診した。便秘・腸蠕動運動に起因する腹痛として、緩下薬・制吐薬・鎮痛薬を処方のうえ帰宅とし、有事再診となっていた。帰宅後も嘔吐があり、腹痛が再燃したため救急外来を再受診した。
ROS(+):腹痛、嘔吐(腹痛の後)、腹部膨満感、便秘
ROS(-):発熱、悪寒戦慄、体重減少、頭痛、脱力、構音障害、難聴、耳鳴り、めまい、血便、黒色便、排尿時痛
既往歴:Ménière病、両側乳腺腫瘍
常備薬:なし
アレルギー歴:なし
嗜好歴:飲酒・喫煙なし

参考文献

1)Shimizu S, et al : Involvement of herbal medicine as a cause of mesenteric phlebosclerosis ; results from a large-scale nationwide survey. Gastroenterol 52(3) : 308-314, 2017. PMID 27220772 〈腸間膜静脈硬化症の臨床的特徴、山梔子との関連について記載されている。特徴的な内視鏡所見やCT所見が例示されている〉
2)大津健聖,他:漢方薬内服により発症した腸間膜静脈硬化症の臨床経過.日本消化器病学会雑誌111(1) : 61-68, 2014. 〈漢方内服歴のある腸間膜静脈硬化症42症例のレビュー〉
3)久部高司,他:腸間膜静脈硬化症.臨牀消化器内科34(1) : 53-58, 2018. 〈画像所見を中心に、腸管膜静脈硬化症の検査所見について記載されている〉
4)Hiramatsu K, et al : Mesenteric phlebosclerosis associated with long-term oral intake of geniposide, an ingredient of herbal medicine. Aliment Pharmacol Ther 36(6) : 575-586, 2012. PMID 22817400 〈腸間膜静脈硬化症の発症機序について記載されている〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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