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特集 “消去法”で考え直す「抗菌薬選択」のセオリー—広域に考え、狭域に始める 【総論】
抗菌薬適正使用の実践に必要な「基本」—理論と行動科学
著者: 青木洋介1
所属機関: 1佐賀大学医学部附属病院 感染制御部
ページ範囲:P.772 - P.774
文献購入ページに移動 「基本」となる診療能力のレベルや範囲については多様な考え方があるが、筆者は「診療の骨子をなす理論と、その実践を正しく、あるいは誤りなく方向づけるための判断(judgment)と、意思決定(decision making)を行うことができる認知・思考機能の最小単位」を、すべての診療に共通する基本と考える。この能力を獲得するには、各論的知識の修得に加え、自身の判断や意思決定に影響を及ぼす「行動科学的特性」についても認識しておくほうがよい。本稿では、このような視点から、「抗菌薬適正使用(prudent antimicrobial use:PAUSE)」のための基本的論理について述べる。
参考文献
1)日本化学療法学会抗菌化学療法認定医認定制度審議委員会(編):抗菌薬適正使用生涯教育テキスト,第3版.日本化学療法学会,2020.
2)青木洋介:診断学における認知思考のピットフォール.日内会誌112(3) : 422-426, 2023.
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