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特集 都市のプライマリ・ケア—「見えにくい」を「見えやすく」
扉
著者: 金子惇123
所属機関: 1横浜市立大学大学院データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻 2横浜市立大学医学部臨床疫学・臨床薬理学講座 3横浜市寿町健康福祉交流センター診療所
ページ範囲:P.890 - P.891
文献購入ページに移動「都会に地域医療なんてあるの?」「医療資源が多いから、ちゃんと診なくても都市は何とかなっているんでしょ?」と、私は離島の1人診療所で働いている時そう思っていました。
しかし実際に都市に出て診療してみると、人口は集中し、multimorbidityの高齢者、経済的に困窮している人、海外にルーツを持つ人など、プライマリ・ケアが必要なのにそのケアが届きにくい人の数は都市部で増えており、プライマリ・ケアの果たすべき役割はたくさんあります。それにもかかわらず、都市のプライマリ・ケアはいったい何をしているのか、とにかく「見えにくい」のです。私はその見えにくさから、いったん都市を離れましたが、今また再び都市の診療に関わっています。続けられている理由は、その「見かた」をさまざまな人から教えてもらい、都市のプライマリ・ケアの面白さに気づいたからです。
「都市初心者」の筆者が、日本プライマリ・ケア連合学会大都市圏医療委員会(現在は地域包括ケア委員会に統合)のこれまでの積み重ねや、第13回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会(2022年)でのシンポジウム「『見えにくい』都市のプライマリ・ケアを『見えやすく』」を共に開催してくれたメンバーなど、多くの先達に教えてもらったこれまでの「都市の見かた」を元に、本特集でそれらを共有し、都市のプライマリ・ケアの役割と魅力についてさまざまな角度から語り尽くしてもらいました。
「都市に地域医療なんてない」と思っているあなた。「都市のプライマリ・ケアの面白さに半分気づいているけど、上手く言葉にできない」あなた。そして「都市でも地域に出ていろいろやりたい」というあなたも。本特集を手に持って、一緒に街へ出ましょう!
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