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特集 都市のプライマリ・ケア—「見えにくい」を「見えやすく」 【セクション2】実践! 都市のプライマリ・ケア—4つの現場から @臨床
❷大都市の外国人診療—multicultureな中でのケア
著者: 弓野綾12 沢田貴志3
所属機関: 1川崎医療生活協同組合川崎セツルメント診療所 2東京大学大学院医学系研究科 国際地域保健学教室 3港町診療所
ページ範囲:P.905 - P.908
文献購入ページに移動神奈川県にある私たちの総合内科の外来を、ある日、言葉少なくうつむいている女性が受診した。健康保険証は持っていなかった。
片言の日本語から聞き取れたのは技能実習生として日本に来たベトナム人で、下腹部が痛いとのこと。体温は36.5℃。「下痢しているの?」「吐き気はないの?」と聞いても怪訝な顔。やむをえず腹部触診の後、超音波検査でざっと診てしまう。特定の圧痛点もなく、虫垂炎や憩室炎も否定的であった。痛みのあるところには水様便があることがわかり、卵巣囊腫もなさそう、と一安心したのもつかの間。おや? 子宮内に胎児が…。うーん、この大きさはすでに妊娠10週を超えているかも…。
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