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特集 都市のプライマリ・ケア—「見えにくい」を「見えやすく」 【セクション2】実践! 都市のプライマリ・ケア—4つの現場から @臨床
❹事例で読み解く都市のプライマリ・ケア—住環境編(団地)
著者: 佐野康太123
所属機関: 1王子生協病院 2生協浮間診療所 3ゆうりんクリニック
ページ範囲:P.913 - P.916
文献購入ページに移動よくある単身高齢女性の圧迫骨折
患者:仲野良子さん(仮名)。80代、女性。
現病歴:2型糖尿病で糖尿病クリニック、高血圧症で内科医院、変形性膝関節症と骨粗鬆症で整形外科医院に通院している。左眼は加齢黄斑変性で手動弁レベルだったが、最近になって右眼の網膜静脈閉塞症により下方視野欠損が生じ、大学病院眼科にも通院するようになった。
築50年近くになる団地で1人暮らしをしており、介護サービスを利用することなく近所の人々と仲良く暮らしていた。夫はすでに他界し、長女は遠方に在住。理容師の長男は隣県で開業しており、多忙のため月1回ほど顔を出す程度の付き合いとなっていた。
ある日、自宅で転倒し腰痛で動けなくなりA病院へ救急搬送されて、腰椎圧迫骨折の診断で入院となり、コルセットを作成しつつ2週間の床上安静となった。歩行練習を開始したものの転倒リスクが高いため、リハビリ継続を目的として当院へ転院した。
参考文献
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