総合診療33巻8号

2023年08月発行

特集 都市のプライマリ・ケア—「見えにくい」を「見えやすく」 【セクション3】都市のプライマリ・ケアの役割—3つの視点から ＠メゾ

❻都市のプライマリ・ケアの連携—GPs at the Deep End 川崎/横浜

著者： 金子惇¹²³

所属機関： ¹横浜市立大学大学院データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻 ²横浜市立大学医学部臨床疫学・臨床薬理学講座 ³横浜市寿町健康福祉交流センター診療所

ページ範囲：P.952 - P.954

　本特集の他稿（p.901〜の吉田論文など）にも見られるように、都市のプライマリ・ケアの役割として、生活困窮の状況にある患者およびそのような方が多く住んでいる地域へのケアが挙げられる。しかし、そういった地域ではmultimorbidityを抱えた複雑性が高い患者が多く、医療者への負担が大きいため、医療者側のバーンアウトが起きやすい^1,2）。また、他地域に比べて1人の患者を診察するのに時間がかかる場合も多く、医療機関の経営維持も課題となる^1）。
　本稿では、そのような状況に立ち向かうために、英国で始まった「GPs at the Deep End」（以下、Deep End）というプロジェクトと、その日本での広がりについて紹介する。

参考文献

1）Watt G, Deep End Steering Group : GPs at the deep end. Br J Gen Pract 61（582） : 66-67, 2011. PMID 21402002

2）Butler D, et al : Establishing a Deep End GP group ; a scoping review. BJGP Open 6（3） : BJGPO.2021.0230, 2022. PMID 35487579

3）Hart JT, et al : The inverse care law. Lancet 1（7696） : 405-412, 1971. PMID 4100731

4）Watt G（ed） : The Exceptional Potential of General Practice ; Making a Difference in Primary Care. CRC Press, Boca Raton, 2018.

5）Deep End International Bulletin 7, 2022 https://www.gla.ac.uk/media/Media_860554_smxx.pdf

6）Deep End International Bulletin 8, 2022 https://www.gla.ac.uk/media/Media_900527_smxx.pdf