icon fsr

文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻9号

2023年09月発行

文献概要

What's your diagnosis?[249]

丸裸にしたつもりでしたが

著者: 齊木颯1 伊藤裕司2

所属機関: 1名古屋大学大学院 医学系研究科 分子細胞化学分野 2中東遠総合医療センター 総合内科

ページ範囲:P.1027 - P.1029

文献購入ページに移動
病歴
患者:71歳、男性 主訴:発熱
現病歴:1型糖尿病、糖尿病性神経障害、糖尿病網膜症、高血圧症で近医を通院中。入院1年前に当科で糖尿病教育入院を実施した。入院4日前より37〜38℃台の発熱を自覚した。SARS-CoV-2抗原は陰性であったが、発熱が続き、経口摂取量も減ってきたため入院当日に近医内科を受診した。血液検査でWBC 11,900/μL、CRP 22 mg/dLと高値だったため、当院を紹介受診し入院となった。
 当院での血液検査にて炎症反応高値で、高血糖に伴うケトアシドーシスを認めたため、フォーカス不明ではあったが強化インスリン療法およびスルバクタム/アンピシリン(SBT/ABPC)3 g・6時間ごとで抗菌薬治療開始となった。
 1週間上記の加療が継続されたが解熱が得られず、血液検査においてもWBCおよびCRPが依然として高値であったため、当科へ紹介となった。発熱以外の自覚症状は特になし。
曝露歴:旅行なし、ジビエ料理の摂食歴なし
社会生活歴:喫煙:20本/日×35年、飲酒:ウイスキーダブル1杯/日
既往歴:上記以外、特記すべき事項なし
薬剤歴:テルミサルタン40 mg、アムロジピン5 mg、フェキソフェナジン120 mg、インスリン アスパルト7-10-5単位、インスリン グラルギン10単位
アレルギー歴:なし

参考文献

1)Haidar G, et al : Fever of unknown origin. N Engl J Med 386(5) : 463-477, 2022. PMID 35108471 〈不明熱へのアプローチ〉
2)Kumar KL, et al : Drug fever. West J Med 144(6) : 753-755, 1986. PMID 3487884 〈薬剤熱のreview〉
3)Mackowiak PA : Drug fever ; mechanisms, maxims and misconceptions. Am J Med Sci 294(4) : 275-286, 1987. PMID 3310641 〈薬剤熱のreview〉
4)Aberumand B, et al : The complexities of insulin allergy ; a case and approach. Allergy Asthma Clin Immunol 17(1) : 79, 2021. PMID 34325725 〈アスパルトアレルギーの症例報告〉
5)Ghazavi MK, et al : Insulin allergy. Clin Dermatol 29(3) : 300-305, 2011. PMID 21496738 〈インスリンアレルギーのreview〉
6)Copaescu AM, et al : Tools to improve the diagnosis and management of T-cell mediated adverse drug reactions. Front Med (Lausanne) 9 : 923991, 2022. PMID 36313986 〈T細胞を介した薬剤有害事象の診断に関するreview〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?