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文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻9号

2023年09月発行

文献概要

特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門 【総論】

「発達障害(神経発達症)」アップデート

著者: 青木省三12 鷲田健二2 和迩健太3

所属機関: 1公益財団法人慈圭会 慈圭会精神医学研究所 2公益財団法人慈圭会 慈圭病院 3川崎医科大学 総合医療センター心療科

ページ範囲:P.1036 - P.1040

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概念と診断
 1943年にKannerによって提唱された「自閉症」は、米国精神医学会のDSM-Ⅲ(精神疾患の診断・統計マニュアル 第3版、1980)では「乳幼児自閉症」、ICD-10(国際疾病分類 第10版、1992)やDSM-Ⅳ(1994)では「広汎性発達障害」、DSM-5(2015)では「自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)」(p.1041・1065)と、名称を変えてきた。
 DSM-Ⅳの広汎性発達障害のなかには、「自閉性障害」「アスペルガー障害(p.1075)」「小児崩壊性障害」などの下位分類があったが、DSM-5以降、これらの下位分類は連続した“スペクトラム”のなかにあると考えられ、「自閉スペクトラム症」と呼ばれることになった。DSM-5以降のASDの診断基準は、「社会的コミュニケーションおよび対人関係の障害」(言葉や言葉以外のもので、相手の考えていることを理解したり、自分の考えを伝えたりすることが苦手、など)と「行動・興味・活動の限局された反復的なパターン」(こだわり)を満たすものとされている1,2)

参考文献

1)本田秀夫:自閉スペクトラム症の理解と支援—子どもから大人までの発達障害の臨床経験から.星和書店,2017. 〈ASDの理解と支援について、多くの症例を交えながら詳述されている〉
2)青木省三:こころの病を診るということ—私の伝えたい精神科診療の基本.医学書院,2017. 〈精神疾患の診方・考え方についてわかりやすく記されている。p.1112〉
3)高橋脩:発達障害児と家族への支援.日本評論社,2022. 〈ASDについての考え方や診察の進め方が詳述されている〉
4)青木省三,他(編):大人の発達障害を診るということ—診断や対応に迷う症例から考える.医学書院,2015. 〈大人の発達障害について多数の症例を紹介し、その理解と支援について書かれている。p.1112〉
5)青木省三:ぼくらの中の発達障害.筑摩書房,2012. 〈発達障害の理解と支援について、当事者・家族・支援者にもわかりやすく書かれている〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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