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文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻9号

2023年09月発行

文献概要

特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門 【各論Ⅰ】発達障害を理解する—Caseに学ぶ典型例と対処法

❻発達障害“グレーゾーン”

著者: 岡田尊司1

所属機関: 1岡田クリニック

ページ範囲:P.1064 - P.1067

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Case
患者:(初診時)15歳、女児。中学3年生。
現病歴:学校を休みがちで、下痢・頭痛など身体症状も多いことから、いくつかの医療機関を経て当クリニックを受診した。親は「発達障害もあるのではないか」と心配していた。
 3歳児健診などで指摘を受けたことはなかったが、幼い頃から緊張が強く、過敏な傾向やかんしゃくがみられた。特定の友人はいたが、1人でお絵描きしたりすることを好んだ。音に敏感で、学年やクラスが変わるたびに慣れるのに苦労した。
 診察時、表情はやや乏しいが、目は合い、こちらの問いかけにはうなずきながらきちんと答える。騒々しい男子が苦手で、教室に入るのがだんだん苦痛になったという。付き添いの父親の話では、普段はおとなしいが、母親に注意されたり口出しされたりすると、別人のように激しくキレて、母親も困っているという。発達検査では、目立った群指数間の乖離は認められなかった。

参考文献

1)岡田尊司:発達障害「グレーゾーン」—その正しい理解と克服法.SBクリエイティブ,2022.〈p.1114〉
2)American Psychiatric Association. 2022/日本精神神経学会(日本語版監修),髙橋三郎,他(監訳):DSM-5-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,2023.
3)Rice CE, et al : Defining in detail and evaluating reliability of DSM-5 criteria for autism spectrum disorder (ASD) among children. J Autism Dev Disord 52(12) : 5308-5320, 2020. PMID 34981308
4)Yang Y, et al : Prevalence of neurodevelopmental disorders among US children and adolescents in 2019 and 2020. Front Psychol 13 : 997648, 2022. PMID 36507037
5)岡田尊司:愛着関連障害と愛着アプローチ—『医学モデル』から『愛着モデル』へのパラダイムシフト.心身医62(5) : 379-383, 2022.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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