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特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門 【各論Ⅱ】「こんな時どうすればいい?」Q&A—日常診療+αの場面より
Q4「同僚(医師)が発達障害ではないか」と思ったら?
著者: 吉川徹1
所属機関: 1愛知県医療療育総合センター中央病院 子どものこころ科
ページ範囲:P.1077 - P.1079
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自閉スペクトラム症が疑われる研修医
患者:29歳、男性。後期研修医。
家族歴:不明。父も医師であるという。
現病歴:1浪1留にて医学部を卒業後、初期研修を経て、今年度から後期研修医として「総合診療」の専門研修を開始した。患者から「話をする時に視線を合わせず、態度も悪い」との苦情が看護師や上級医に伝えられることが、複数回あった。そのほかにも、指示されたことが実施できていないことも多いなど、自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)の存在が疑われる状況がみられた。
上級医とともに失敗のパターンを検討し、患者には挨拶時に視線を合わせる習慣をつくる、指示は極力電子カルテのチャット機能を用いるなどの対応により、業務上のトラブルはいくらか減少した。その後、上級医から精神科の受診を勧奨し、両親の協力も得られ、ASDの確定診断につながった。
自閉スペクトラム症が疑われる研修医
患者:29歳、男性。後期研修医。
家族歴:不明。父も医師であるという。
現病歴:1浪1留にて医学部を卒業後、初期研修を経て、今年度から後期研修医として「総合診療」の専門研修を開始した。患者から「話をする時に視線を合わせず、態度も悪い」との苦情が看護師や上級医に伝えられることが、複数回あった。そのほかにも、指示されたことが実施できていないことも多いなど、自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)の存在が疑われる状況がみられた。
上級医とともに失敗のパターンを検討し、患者には挨拶時に視線を合わせる習慣をつくる、指示は極力電子カルテのチャット機能を用いるなどの対応により、業務上のトラブルはいくらか減少した。その後、上級医から精神科の受診を勧奨し、両親の協力も得られ、ASDの確定診断につながった。
参考文献
1)Sniekers S, et al : Genome-wide association meta-analysis of 78,308 individuals identifies new loci and genes influencing human intelligence. Nat Genet 49(7) : 1107-1112, 2017.
2)Moore S, et al : Autistic doctors : overlooked assets to medicine. Lancet Psychiatry 7(4) : 306-307, 2020. PMID 32199503
3)Doherty M, et al : Supporting autistic doctors in primary care : challenging the myths and misconceptions. Br J Gen Pract 71(708) : 294-295, 2021. PMID 34319879
4)本田秀夫:自閉症スペクトラム—10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体.SBクリエイティブ,2013.
5)北川明(編):発達障害のある看護職・看護学生支援の基本と実践.メジカルビュー社,2020.〈p.1114〉
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