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オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・80
意識障害では、“あ行”の行間を読むことがコツだ。
著者: 屋島福太郎1 鈴木智晴1 仲里信彦2 徳田安春 佐藤直行
所属機関: 1浦添総合病院 病院総合内科 2沖縄県立南部医療センター・こども医療センター総合内科
ページ範囲:P.1099 - P.1103
文献購入ページに移動患者:87歳、女性。主訴:意識障害。
現病歴:介護施設に入所中。Basedow病の既往あり。受診2カ月前に食後の「食物の嘔吐」があり、診療所を紹介受診。血液検査で甲状腺機能低下があることが判明(表1)、もともとBasedow病のために内服していたチアマゾールを減量したところ(10 mg/日→5 mg/日)、吐き戻しが改善したため経過観察となっていた。チアマゾールの減量から3週間ほど経って同様の症状が出現したため甲状腺機能を再検したところ、TSH 75μIU/mL、FT4 0.36 ng/dLで、まだ甲状腺機能低下が持続していると判断し、チアマゾールが隔日投与となった。受診の2週間前から食欲が低下していたため、甲状腺機能が正常化していることを確認し、入院10日前からチアマゾール処方が終了されていた。受診1週間前から食欲不振が悪化し、受診前日には体動困難と見当識障害および39.3℃の発熱が出現して項部硬直(頸部が後方に硬直したとのこと)もあり、髄膜炎が疑われて転院搬送された。
既往歴:高血圧症、2型糖尿病、Basedow病、骨粗鬆症、便秘症。
内服歴:エナラプリル、アレンドロン酸、アルファカルシドール、酸化マグネシウム。
アレルギー歴:薬剤、食物ともになし。
家族歴:特記すべき病歴はなし。
生活歴:住居は介護施設。
ADL:要介護度3。歩行器を使用して移動でき、難聴はあるが簡単な会話は可能だった。
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