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Editorial
「Art and Science」としての「History and Physical」
著者: 徳田安春1 鈴木智晴2
所属機関: 1臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄 2浦添総合病院 病院総合内科
ページ範囲:P.19 - P.19
文献購入ページに移動Physicalは、検査としての側面もあるが、純粋な検査ではない。身体所見の感度・特異度などの検査特性を比較して、それが低いからといって「この身体所見には意味がない」などと言うのはやめたほうがよい。たとえば、左の肩痛を自覚する「心筋梗塞」のケースは稀にある。これを感度・特異度で示すと、両方ともかなり低いだろう。この病歴を感度・特異度で表現することはない。むしろ、このような「放散痛」は診断エラーを防ぐための注意すべき症候だ。急性虫垂炎における「腸腰筋徴候」と「閉鎖筋徴候」の検査特性も高くない。しかし、「急性虫垂炎」を疑うケースにおいてMcBurney点の圧痛陰性のケースであれば、必須の手技である。「盲腸後部や骨盤内部に存在する虫垂炎」というサブグループでの診断価値は高いのだ。「ある症候が陽性となるのはどんなサブ病態か」を解剖と生理で考えるべきだ。
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