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文献詳細

雑誌文献

総合診療34巻1号

2024年01月発行

文献概要

#総合診療

#書評:神経症状の診かた・考えかた—General Neurologyのすすめ 第3版

著者: 宮岡等1

所属機関: 1北里大学・精神医学

ページ範囲:P.106 - P.106

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 評者は精神科医である。精神科医になって3〜4年目の頃、今から約40年も前になるが、身体疾患に起因する意識障害であるせん妄、認知症や統合失調症治療薬による錐体外路症状、心理面の原因で身体症状を呈する転換性障害などに出合って、精神科医もある程度の「神経内科」(現在の脳神経内科)の知識が不可欠であると考えた。当時の私のバイブルは故・本多虔夫先生の単著『神経病へのアプローチ』(医学書院)であった。所属教室の主任教授に頼み、週1回程度であったが、しばらくの間、本多先生のもとで研修を受け、臨床家はこうあるべきという姿勢も学んだ。
 それ以後、自分が精神科教員の立場となり、わかりやすいテキストを探しているなか、見つけたのが本書である。著者は初版の序で「遺伝学や生化学などのいわゆる高度医療の側面には触れていない。それらを高速道路建設にたとえると、本書は街中の交通渋滞に対処するものである」、第3版の序では「『街中の交通渋滞対処』が『高速道路建設』に役立つ」、「予断や理屈に捉われないで、患者の症状を観察し、自ら一歩深く考えることが今なお臨床医に求められていると思う」と強調しており、評者が教えられてきた医療観を再確認させられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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