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文献詳細

雑誌文献

総合診療34巻12号

2024年12月発行

特集 妊婦・褥婦が外来に来たらUpdate—症状対応からワクチン・プラネタリーヘルスまで

【各論】

❹ 妊婦・褥婦の高血圧

著者: 杉村基1 平井久也1

所属機関: 1浜松医科大学 産婦人科家庭医療学講座

ページ範囲:P.1394 - P.1397

文献概要

CASE
妊娠初期に発症したBasedow病合併妊娠の1例
患者:26歳、女性。妊娠13週。
既往歴、家族歴:特記すべきことなし。
現病歴:妊婦診察のための産婦人科外来受診時に、2週間前から動悸、頭痛があるとの訴えがあった。超音波断層検査上、胎児心拍を認め、異常は認めなかった。甲状腺軽度腫大、血圧145/92mmHg、脈拍数130回/分、体温37.3℃のため、内科紹介受診となった。胸部X線検査は異常なし、心電図で上室性頻脈、TSH(甲状腺刺激ホルモン)低下、FT3・FT4増加、抗TSHレセプター抗体(TRAb)陽性のため、Basedow病と診断された。一時的にβ遮断薬により降圧ならびにレートコントロールを図りながら、チアマゾール投与を開始した。速やかに頻脈の改善を認め、降圧が得られた。

参考文献

1)日本産科婦人科学会:妊娠高血圧症候群新定義・臨床分類.2018. https://www.jsshp.jp/journal/pdf/20180625_teigi_kaiteian.pdf
2)渡辺員支:妊娠高血圧症候群定義・臨床分類のup to date. 日産婦会誌70(3) : 1148-1157, 2018.
3)日本産科婦人科学会,他(編):産婦人科診療ガイドライン 産科編2023.日本産科婦人科学会,2023.
4)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編):高血圧治療ガイドライン2019.ライフサイエンス出版,2019.
5)国立成育医療研究センター:妊娠と薬情報センター. https://www.ncchd.go.jp/kusuri/(2024年11月11日閲覧)
6)日本妊娠高血圧学会(編):妊娠高血圧症候群の診療指針2021—Best Practice Guide. メジカルビュー社,2021.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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