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雑誌目次

雑誌文献

総合診療34巻2号

2024年02月発行

雑誌目次

特集 日常診療で出合う筋骨格疾患—脳神経内科と整形外科からのアプローチ

著者: 杉田陽一郎 ,   岩田秀平

ページ範囲:P.134 - P.135

総合診療医が日常診療で遭遇する痛み・しびれといった症候には、脳神経内科と整形外科双方の基礎知識が不可欠です。そこで本特集では日々の臨床で出合うcommonな筋骨格疾患に対して、非専門医やプライマリ・ケア領域の医師がどのようにアプローチすればよいかについて、脳神経内科、整形外科それぞれの立場から解説し、読者の皆さんが日常診療で筋骨格疾患に少しでもアプローチしやすくなることを目的とします。

今月の「めざせ! 総合診療専門医!」問題

ページ範囲:P.191 - P.192

本問題集は、今月の特集のご執筆者に、執筆テーマに関連して「総合診療専門医なら知っておいてほしい!」「自分ならこんな試験問題をつくりたい!」という内容を自由に作成していただいたものです。力試し問題に、チャレンジしてみてください。

【総論】

“しびれ”の解剖基礎知識

著者: 杉田陽一郎

ページ範囲:P.136 - P.144

Point
●しびれの原因が、❶筋骨格系、❷運動、❸感覚のいずれの問題であるかを病歴から確認する。
●末梢神経障害、神経根障害、脊髄障害の典型的な臨床像を押さえる。
●上肢、下肢の代表的な髄節、末梢神経の解剖と対応する代表的な疾患を把握する。

【頸部〜上肢の病態】

❶肩の疼痛

著者: 吉村眞 ,   下山勝仁 ,   梶原大輔

ページ範囲:P.145 - P.149

Point
●頸椎由来の痛みを除外すること。
 ➡Jacksonテスト/Spurlingテストは陰性か? 頸部可動で肩痛が増悪しないか? 肘関節屈曲動作、手関節回外動作はできるか?
●X線写真を必ず撮像して特徴的な疾患(骨折、感染や腫瘍、石灰沈着性腱板炎など)を除外すること。
●身体所見からよくある疾患を推測すること。腱板断裂や凍結肩の可能性は? 肩峰下インピンジメント症候群の合併は?
 ➡保存加療で改善しなければ、早めに専門医へ紹介を。

❷手・指の疼痛

著者: 樫山尚弘

ページ範囲:P.150 - P.153

Point
●外来で遭遇する頻度の高い手・指の疾患に、ばね指やde Quervain病がある。
●主たる病態は腱や腱鞘の肥厚、滑膜増生を背景とした腱の滑走障害である。
●女性、手指をよく使う作業をしている人に多く見られる。
●圧痛部位を正確に捉えることが診断の肝である。
●超音波検査を用いることで、より確実な診断と質の高い治療を提供することができる。

❸手根管症候群

著者: 杉田陽一郎

ページ範囲:P.154 - P.156

Point
●両側性の場合は二次性の原因を考慮する。
●圧倒的に感覚症状を主体に受診することが多い。
●しびれでは、「感覚鈍麻なのか?」「異常感覚なのか?」を区別する。
●病歴の3ポイント(❶夜間〜朝の増悪、❷手を使う動作で増悪、❸flick sign)を確認する。
●神経伝導検査では事前の臨床情報が何よりも重要である。

❹頚椎症性神経根症・脊髄症

著者: 岩田秀平

ページ範囲:P.157 - P.159

Point
●上肢の痛み・しびれの診察、画像検査ができるようになろう!
●脊髄症をきたしている場合は脊椎外来に紹介を。
●非骨傷性頚髄損傷にも注意!

❺整形外科疾患と筋萎縮性側索硬化症(ALS)の鑑別

著者: 佐藤光 ,   安藤哲朗

ページ範囲:P.160 - P.163

Point
●筋萎縮性側索硬化症(ALS)と鑑別が必要な整形外科疾患として、頸椎症、腰椎症、胸腰椎移行部などの脊椎疾患がある。
●変形性脊椎症は中高年齢者で高頻度であり、ALS患者でも合併していることが多い。
●ALSではびまん性の筋力低下、脊椎疾患では髄節性の筋力低下を認める。
●ALSと脊椎疾患の鑑別に有用な所見として、頸部筋力の低下、split hand、体重減少などがある。
●ALSの可能性を疑った場合には、脳神経内科専門医に紹介するのがよい。

❻神経痛性筋萎縮症

著者: 深澤真弓 ,   加藤匡裕 ,   岩部昌平

ページ範囲:P.164 - P.166

Point
●神経痛性筋萎縮症は、末梢神経に発症する(多発性)単ニューロパチーである。
●突然の強い痛みで発症することが多く(肩〜上肢が多い)、それに続く罹患神経支配筋の筋力低下や筋萎縮を認める。
●複数の末梢神経が罹患することも多く、鑑別診断が重要となるが、麻痺筋の分布が髄節支配とは一致しないのが脊椎疾患と見分けるポイントである。

【腰部〜下肢の病態】

❶大腿骨近位部骨折

著者: 赤嶺尚里

ページ範囲:P.167 - P.170

Point
●高齢者の転倒による大腿部痛は、大腿骨近位部骨折を鑑別に挙げる。
●超高齢社会のなかで、骨粗鬆症を背景とする大腿骨近位部骨折の患者数は、極めて増加傾向である。
●大腿骨近位部骨折は、手術適応だった場合に早期の治療介入が予後の改善につながるため、早めの整形外科コンサルトが望まれる。
●併存疾患を含めて、周術期のコントロールには内科医との連携が不可欠である。

❷変形性膝関節症

著者: 橋口直史

ページ範囲:P.171 - P.176

Point
●変形性膝関節症は中年〜高齢の患者に多くみられ、多くの症例で10年以上の経過で進行している。
●手術に対する絶対的な適応はほぼなく、患者のADLにどれほど影響しているかで手術適応を決定する。
●薬物療法ではアセトアミノフェンやNSAIDsなどが第一選択薬として挙げられる。
●膝関節軟骨下脆弱性骨折(SIFK)はX線で大腿骨内側顆に骨透亮像を認め、変形性膝関節症の進行に大きく関与する。
●内側半月板後根断裂(MMPRT)は“ブチッ”という感覚の後に、膝関節痛を訴えた場合に疑う。

❸腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症

著者: 岩田秀平

ページ範囲:P.177 - P.179

Point
●病歴聴取と身体診察から診断し、MRI検査で答え合わせをしよう。
●保存加療で良くなる場合もあるが、改善がなければ脊椎外科医へ紹介しよう。
●手術術式はさまざまなものがあり、低侵襲化が発展してきている。

❹血管炎性ニューロパチー

著者: 柴田真

ページ範囲:P.180 - P.183

Point
●急性〜亜急性に進行する多発単神経障害では血管炎を鑑別に挙げる。
●この疾患を疑った場合は、当日中に緊急で専門医に紹介する!
●原因疾患としてANCA関連血管炎が多い。
●初期には腓骨神経麻痺による下垂足など、単神経障害で発症する例がある。
●腓骨神経麻痺を腰椎症によるL5神経根障害と誤診しないように注意する。

❺足関節の疼痛

著者: 酒井瑛平

ページ範囲:P.184 - P.186

Point
●痛い部分を詳細に評価し、傷んだ組織を推測しよう。
●歩けないほど痛い足関節捻挫は重症! 固定して専門医に紹介しよう。
●小児の捻挫は裂離骨折を伴う場合が多い! 将来の不安定性につながる可能性があるので、専門医に紹介しよう。
●足のしびれにMorton病は多い。thumb index finger squeeze testでピンポイントな痛みがないか確認しよう。

❻急性脊髄疾患

著者: 宮本翔平 ,   塩尻俊明

ページ範囲:P.187 - P.190

Point
●急性脊髄疾患を疑う場合には、脊髄の解剖を理解して、障害される脊髄高位および病変部位を類推する。
●急性脊髄疾患は発症様式が重要である。
●脊髄MRI検査では、横断面での障害様式が鑑別に役立つ。

Editorial

脳神経内科、整形外科双方の視点で筋骨格疾患にアプローチする!

著者: 杉田陽一郎 ,   岩田秀平

ページ範囲:P.133 - P.133

日常臨床ではたとえ神経や整形外科を専門としていなくとも、筋骨格系の疼痛やしびれといった問題を避けて通ることはできません。こうしたcommonな症候に対して、一方向性ではなく脳神経内科、整形外科双方の視点からアプローチすることで、より立体的に臨床像を把握することができればという思いから、本特集テーマを企画させていただきました。
 脳神経内科はしびれの原因を評価する立場、また整形外科は評価のみならず治療する立場として、それぞれの視点を組み合わせることによって、プライマリ・ケア領域で役立つ内容になっているのではないかと思います。

What's your diagnosis?[254]

晴れ、のち紫

著者: 梅本大地 ,   金森真紀

ページ範囲:P.128 - P.132

病歴
患者:37歳、男性
主訴:皮疹・腹痛
現病歴:X-1年4月から上下肢に紫色の皮疹が出現しては消退することを繰り返した。夏から38℃の発熱が出現。手、手指、膝関節の腫脹・疼痛も出現したが、ロキソプロフェン錠内服で改善した。X年1月に急な腹痛と水様性下痢が出現。急性胃腸炎として入院し、4日間で退院。その後も皮疹、微熱、関節痛は持続した。X年2月8日に下痢と腹痛が再燃して入院となった。ドライアイ、ドライマウス、日光過敏、Raynaud現象、嘔気・嘔吐、血便、膀胱刺激徴候、血尿・尿の泡立ちはない。
既往歴:虫垂炎術後(10歳)
内服歴:ロキソプロフェンナトリウム錠 頓用
生活歴:飲酒なし、past smoker 40本/日(20〜30歳)。生ものの摂食なし

【エッセイ】アスクレピオスの杖—想い出の診療録・46

奥会津の小さな物語—〜Doctor's tears〜

著者: 鎌田一宏

ページ範囲:P.208 - P.209

本連載は、毎月替わる著者が、これまでの診療で心に残る患者さんとの出会いや、人生を変えた出来事を、エッセイにまとめてお届けします。

ジェネラリストに必要な ご遺体の診断学・11

—ご遺体の検査❷—心臓穿刺

著者: 森田沙斗武

ページ範囲:P.214 - P.217

Case
患者:67歳、男性。数年前まで母親と同居していたが死別し、以後、独居生活を送っている。姉が近隣に住んでいるが、患者が干渉を嫌うため、あまり連絡はとっていなかった。
既往歴:不明。親の資産で生活しているため仕事に従事しておらず、健診も受けていなかった。病院嫌いで医療機関の受診歴もなかった。
現病歴:朝8時頃、姉が実家の前を通りがかった時、玄関扉が半開きになっているのを不審に思い覗き込んだところ、玄関で倒れている患者を発見した。8時13分に119番通報、20分に救急隊が到着し心肺停止を確認、45分に当院へ搬送され心肺蘇生処置を行ったが、すでに死後硬直および死斑の発現を認め、58分に蘇生処置を中断、9時10分に死亡宣告を行った。病歴も生活習慣も不明で、死亡に至る経過が全くわからないため、「異状死の届出」を行ったところ、警察が来院しご遺体を引き取っていった。
 翌日、姉が「病院で死亡診断書は発行できないのか?」と相談しに来院した。経緯を聞くと、警察の捜査の結果、事件性はないと判断され、警察医から「虚血性心疾患」を死因と記された死体検案書を受け取ったが4万円を請求されたという。「警察医は何の検査もしていないし、死因が何でもよいのであれば、病院で死亡診断書を発行してくれたらよかったのに」と訴えられた。なお、母親の死亡時に当院が発行した死亡診断書の発行料が3千円だったのを覚えていたため、相談に来たようであった。
 姉に、「異状死の届出」が必要であったこと、その後は警察の取り扱いとなり手続きや書類については当院ではわからないことを説明した。当院から死亡診断書を発行できないことは納得していただけたようであったが、最後まで「何もせずに4万円は納得がいかない」と訴えておられた。

オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・85

ズボンの中まで日々観察!

著者: 樋口友哉 ,   酒井達也 ,   徳田安春 ,   仲里信彦 ,   鈴木智晴 ,   佐藤直行

ページ範囲:P.218 - P.221

CASE
患者:66歳、女性。
主訴:発熱。自宅内で倒れていた。
現病歴:付き添いの後見人より聴取。精神発達遅滞はあるが、社会福祉資源を利用しながら独居で生活を営んでいる。来院2日前の夜間に発熱があり、成年後見人のところへ「翌日のデイサービスを休みたい」と連絡があった。来院当日に訪問看護師が定期訪問したところ、ドアにチェーンがかかっており、呼びかけると返事はあるものの動けない様子であった。救急車を要請して訪室すると、意思疎通は取れるものの、トイレの前で腹臥位で脱力して動けなくなっていたため、救急搬送となった。発見時の本人は、普段通り意思疎通は取れるものの、なぜトイレの前で倒れていたのかは覚えておらず、来院2日前から来院日までの状況を尋ねても、「退院したばかりだから」「昨日は飛行機に乗っていた」など、辻褄の合わない発言を認めていた。
患者背景:独居、要介護1・自立支援(精神発達遅滞)。デイサービス・ヘルパー・週1回の訪問看護と生活保護を利用しながらの生活。成年後見人あり。ADLは歩行器歩行で、身の回りのことは自分でできる。
既往歴:精神発達遅滞(WAIS-R IQ48)、抑うつ神経症、脊柱管狭窄症、両側変形性膝関節症、両側扁平足、高血圧症。
薬剤歴:クロナゼパム1.5mg 1日3回、エスゾピクロン1mg 1日1回、スボレキサント20mg 1日1回、クエチアピンフマル酸塩200mg 1日1回、アセトアミノフェン500mg 1日1回、プレガバリン400mg 1日2回、アムロジピン5mg 1日1回
飲酒・喫煙歴:なし。
アレルギー歴:なし。
家族歴:特記なし。

Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー!医学と日常の狭間で|患者さんからの素朴な質問にどう答える?・47

医学的に「不衛生」が好ましい場合とは?

著者: 上田剛士

ページ範囲:P.223 - P.225

患者さんからのふとした質問に答えられないことはないでしょうか? 素朴な疑問ほど回答が難しいものはありませんが、新たな気づきをもたらす良問も多いのではないでしょうか? 本連載では素朴な疑問に、文献的根拠を提示しながらお答えします!

臨床医のためのライフハック│限りある時間を有効に使う仕事術・11

—講演・レクチャー—魅力的な内容・スライドを効率よく準備するには?

著者: 中島啓

ページ範囲:P.227 - P.229

時間がない! 臨床医の仕事は診療だけにあらず、事務、教育、自己学習、研究、学会発表、情報発信、所属組織の運営などなど、尽きることはありません。もちろんプライベートの生活もあり、「時間不足」は臨床医の永遠の課題です。では、一度きりの“医師人生”の限られた時間を、どう有効に使うのか? 筆者が培ってきた「ライフハック(仕事術)」のすべてを、余すところなく開陳します。

投稿 総合診療病棟

低酸素血症と左上肢の浮腫の原因は?

著者: 相庭晴紀 ,   山賀紗織 ,   矢部正浩

ページ範囲:P.211 - P.213

CASE
患者:77歳、女性。
主訴:呼吸困難、低酸素血症。
現病歴:X日、ショートステイ先にて夕食後に苦しそうにしているところを施設職員が発見し、SpO2 76%(room air)のため救急要請し入院した。
既往歴:Lewy小体型認知症。
生活歴:要介護3。ADLは普段から車椅子で生活をしていたが、数週間前から座位保持が難しくなり臥床がちとなってきた。
身体所見:体温37.2℃、血圧106/68 mmHg、脈拍数94回/分、呼吸数39回/分、SpO2 93%(O2 2L)。右肺にwheeze聴取、左上胸部から左肩にかけて静脈拡張あり(図1)、左上肢に著明な圧痕性浮腫あり(図2)、左下肢にも圧痕性浮腫あり、左上下肢麻痺あり、仙骨部褥瘡あり、そのほか特記事項なし。

#総合診療

#今月の特集関連本

ページ範囲:P.194 - P.197

#医学書院の新刊

ページ範囲:P.198 - P.198

#参加者募集

ページ範囲:P.199 - P.199

#書評:—病態生理と神経解剖からアプローチする—レジデントのための神経診療

著者: 江原淳

ページ範囲:P.201 - P.201

 神経診療は難しく、苦手意識のある医師は多い。
 なぜ難しく苦手と感じるのか? 一つに、神経領域の幅広さがあると思う。解剖学的にも、脳・脊髄・末梢神経、神経筋接合部・筋などと多彩であり、病態的にも血管障害・感染症・自己免疫・変性など幅が広く、その組み合わせで膨大な疾患が存在する。誰しもその疾患数や領域の広さに圧倒され、特に神経内科を専門領域とする者以外にとって、「これをすべて勉強しきることは無理だ。専門科に任せよう」という気持ちになるのもわからなくはない。

#書評:レジデントのための腹部エコーの鉄則[Web動画付]

著者: 矢吹拓

ページ範囲:P.203 - P.203

 現代医療において、エコーの果たす役割は年々大きくなっています。「Point-of-Care Ultrasound(POCUS)」などのベッドサイドエコースキルが体系化され、スマホに接続できるような小型軽量化したポケットエコーも開発され、技術革新は日進月歩です。「1人1台エコー」の時代も夢ではなく、医療機関によっては実現しているところもあると聞きます。ベッドサイドで手軽に検査ができ、低侵襲であることも大きな魅力で、これからますます重要性が増していくと思います。
 一方で、術者の技量によって検査を通して得られる情報が大きく異なることは課題の1つです。自ら行った検査ではわからなかった所見が、上級医や検査技師によって指摘されることも少なくないでしょう。エコー技術の習熟や標準化が、今後の重要な課題となります。

#書評:慢性痛のサイエンス—脳からみた痛みの機序と治療戦略 第2版

著者: 山下敏彦

ページ範囲:P.205 - P.205

 本書は私にとって、慢性痛を考え理解するうえでの“バイブル”的書籍である。このたび、内容がアップデートされ、ボリュームアップした第2版が出版されたことを大変うれしく思う。
 近年、慢性痛の発生や持続には、単に組織の損傷や脊髄・末梢神経の障害だけではなく、「脳」の機能不全が深く関与していることが神経科学的研究により明らかにされているが、臨床家にとってそのメカニズムを理解することは決して容易ではない。しかし本書では、中脳辺縁ドパミン系(mesolimbic dopamine system)や下行性疼痛抑制系といった複雑な神経メカニズムを、明快な図とともに読みやすい文章で順序立てて解説されており、読み進めるうちに自然と理解が深まってくる。

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目次

ページ範囲:P.126 - P.127

読者アンケート

ページ範囲:P.206 - P.206

『総合診療』編集方針

ページ範囲:P.233 - P.233

 1991年に創刊した弊誌は、2015年に『JIM』より『総合診療』に誌名を変更いたしました。その後も高齢化はさらに進み、社会構造や価値観、さらなる科学技術の進歩など、日本の医療を取り巻く状況は刻々と変化し続けています。地域医療の真価が問われ、ジェネラルに診ることがいっそう求められる時代となり、ますます「総合診療」への期待が高まってきました。これまで以上に多岐にわたる知識・技術、そして思想・価値観の共有が必要とされています。そこで弊誌は、さらなる誌面の充実を図るべく、2017年にリニューアルをいたしました。本誌は、今後も下記の「編集方針」のもと、既存の価値にとらわれることなく、また診療現場からの要請に応え、読者ならびに執筆者のみなさまとともに、日本の総合診療の新たな未来を切り拓いていく所存です。
2018年1月  『総合診療』編集委員会

『総合診療』バックナンバーのご案内

ページ範囲:P.234 - P.235

お得な年間購読のご案内

ページ範囲:P.235 - P.236

次号予告

ページ範囲:P.237 - P.238

基本情報

総合診療

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 2188-806X

印刷版ISSN 2188-8051

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バックナンバー

33巻12号(2023年12月発行)

特集 海の外へ渡る航行者を診る—アウトバウンドにまつわるetc.

33巻11号(2023年11月発行)

特集 —続・総合診療外来に“実装”したい—最新エビデンスMy Best 3

33巻10号(2023年10月発行)

特集 ○×クイズ110問!日常診療アップグレード—Choosing WiselyとHigh Value Careを学ぼう

33巻9号(2023年9月発行)

特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門

33巻8号(2023年8月発行)

特集 都市のプライマリ・ケア—「見えにくい」を「見えやすく」

33巻7号(2023年7月発行)

特集 “消去法”で考え直す「抗菌薬選択」のセオリー—広域に考え、狭域に始める

33巻6号(2023年6月発行)

特集 知っておくべき!モノクロな薬たち(注:モノクローナル抗体の話ですよ〜)

33巻5号(2023年5月発行)

特集 —疾患別“イルネススクリプト”で学ぶ—「腹痛診療」を磨き上げる22症例

33巻4号(2023年4月発行)

特集 救急対応ドリル—外来から在宅までの60問!

33巻3号(2023年3月発行)

特集 —自信がもてるようになる!—エビデンスに基づく「糖尿病診療」大全—新薬からトピックスまで

33巻2号(2023年2月発行)

特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き!

33巻1号(2023年1月発行)

特集 COVID-19パンデミック 振り返りと将来への備え

32巻12号(2022年12月発行)

特集 レクチャーの達人—とっておきの生ライブ付き!

32巻11号(2022年11月発行)

特集 不定愁訴にしない“MUS”診療—病態からマネジメントまで

32巻10号(2022年10月発行)

特集 日常診療に潜む「処方カスケード」—その症状、薬のせいではないですか?

32巻9号(2022年9月発行)

特集 総合診療・地域医療スキルアップドリル—こっそり学べる“特講ビデオ”つき!

32巻8号(2022年8月発行)

特集 こんなところも!“ちょいあて”エコー—POCUSお役立ちTips!

32巻7号(2022年7月発行)

特集 —どうせやせない!? やせなきゃいけない??苦手克服!—「肥満」との向き合い方講座

32巻6号(2022年6月発行)

特集 総合診療外来に“実装”したい最新エビデンス—My Best 3

32巻5号(2022年5月発行)

特集 「診断エラー」を科学する!—セッティング別 陥りやすい疾患・状況

32巻4号(2022年4月発行)

特集 えっ、これも!? 知っておきたい! 意外なアレルギー疾患

32巻3号(2022年3月発行)

特集 AI時代の医師のクリニカル・スキル—君は生き延びることができるか?

32巻2号(2022年2月発行)

特集 —withコロナ—かぜ診療の心得アップデート

32巻1号(2022年1月発行)

特集 実地医家が楽しく学ぶ 「熱」「炎症」、そして「免疫」—街場の免疫学・炎症学

31巻12号(2021年12月発行)

特集 “血が出た!”ときのリアル・アプローチ—そんな判断しちゃダメよ!

31巻11号(2021年11月発行)

特集 Q&Aで深める「むくみ診断」—正攻法も!一発診断も!外来も!病棟も!

31巻10号(2021年10月発行)

特集 医師の働き方改革—システムとマインドセットを変えよう!

31巻9号(2021年9月発行)

特集 「検査」のニューノーマル2021—この検査はもう古い? あの新検査はやるべき?

31巻8号(2021年8月発行)

特集 メンタルヘルス時代の総合診療外来—精神科医にぶっちゃけ相談してみました。

31巻7号(2021年7月発行)

特集 新時代の「在宅医療」—先進的プラクティスと最新テクノロジー

31巻6号(2021年6月発行)

特集 この診断で決まり!High Yieldな症候たち—見逃すな!キラリと光るその病歴&所見

31巻5号(2021年5月発行)

特集 臨床医のための 進化するアウトプット—学術論文からオンライン勉強会、SNSまで

31巻4号(2021年4月発行)

特集 消化器診療“虎の巻”—あなたの切実なギモンにズバリ答えます!

31巻3号(2021年3月発行)

特集 ライフステージでみる女性診療at a glance!—よくあるプロブレムを網羅しピンポイントで答えます。

31巻2号(2021年2月発行)

特集 肺炎診療のピットフォール—COVID-19から肺炎ミミックまで

31巻1号(2021年1月発行)

特別増大特集 新型コロナウイルス・パンデミック—今こそ知っておきたいこと、そして考えるべき未来

30巻12号(2020年12月発行)

特集 “ヤブ化”を防ぐ!—外来診療 基本の(き) Part 2

30巻11号(2020年11月発行)

特集 診断に役立つ! 教育で使える! フィジカル・エポニム!—身体所見に名を残すレジェンドたちの技と思考

30巻10号(2020年10月発行)

特集 —ポリファーマシーを回避する—エビデンスに基づく非薬物療法のススメ

30巻9号(2020年9月発行)

特集 いつ手術・インターベンションに送るの?|今でしょ! 今じゃないでしょ! 今のジョーシキ!【感染症・内分泌・整形外科 編】

30巻8号(2020年8月発行)

特集 マイナーエマージェンシー門外放出—知っておくと役立つ! テクニック集

30巻7号(2020年7月発行)

特集 その倦怠感、単なる「疲れ」じゃないですよ!—筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群とミミック

30巻6号(2020年6月発行)

特集 下降期慢性疾患患者の“具合”をよくする—ジェネラリストだからできること!

30巻5号(2020年5月発行)

特集 誌上Journal Club—私を変えた激アツ論文

30巻4号(2020年4月発行)

特集 大便強ドリル—便秘・下痢・腹痛・消化器疾患に強くなる41問!

30巻3号(2020年3月発行)

特集 これではアカンで!こどもの診療—ハマりがちな11のピットフォール

30巻2号(2020年2月発行)

特集 いつ手術・インターベンションに送るの?|今でしょ! 今じゃないでしょ! 今のジョーシキ!【循環器・消化器・神経疾患編】

30巻1号(2020年1月発行)

特集 総合診療医の“若手ロールモデル”を紹介します!—私たちはどう生きるか

27巻12号(2017年12月発行)

特集 小児診療“苦手”克服!!—劇的Before & After

27巻11号(2017年11月発行)

特集 今そこにある、ファミリー・バイオレンス|Violence and Health

27巻10号(2017年10月発行)

特集 めまいがするんです!─特別付録Web動画付

27巻9号(2017年9月発行)

特集 うつより多い「不安」の診かた—患者も医師も安らぎたい

27巻8号(2017年8月発行)

特集 見逃しやすい内分泌疾患─このキーワード、この所見で診断する!

27巻7号(2017年7月発行)

特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 3 カリスマ編

27巻6号(2017年6月発行)

特集 「地域を診る医者」最強の養成法!

27巻5号(2017年5月発行)

特集 コミュニケーションを処方する—ユマニチュードもオープンダイアローグも入ってます!

27巻4号(2017年4月発行)

特集 病歴と診察で診断できない発熱!—その謎の賢い解き方を伝授します。

27巻3号(2017年3月発行)

特集 これがホントに必要な薬40—総合診療医の外来自家薬籠

27巻2号(2017年2月発行)

特集 The総合診療ベーシックス—白熱!「総合診療フェスin OKINAWA」ライブ・レクチャー! 一挙公開 フィジカル動画付!

27巻1号(2017年1月発行)

特集 総合診療の“夜明け”—キーマンが語り尽くした「来し方、行く末」

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