総合診療医が担う外来診療では、幅広い疾患に対して適切な対応が求められる。
なかでも“コモンディジーズ”と呼ばれる日常病に遭遇する機会は、実に多い。
このコモンディジーズについては、発症ごく初期の非特異的症状から非典型的症状まで、その“イルネススクリプト”を的確に捉え、つまり「真にコモンディジーズを理解する」ことが求められる。
病初期や非典型的症状であっても、適切な診断を想起し、タイムリーに診断からマネジメントにつなげられることは、患者アウトカムの改善のみならず、増加する医療費の問題にも資すると考えられる。
そこで、問診や身体診察を中心とした「臨床推論」にこだわり、“コモンディジーズ”のイルネススクリプトの理解を深め、アップグレードすることに役立てばと、本特集を企画した。
雑誌目次
総合診療34巻3号
2024年03月発行
雑誌目次
特集 —え、ウソ!実は◯◯だった!?—“コモンディジーズ”の診断ピットフォール
扉 フリーアクセス
著者: 鋪野紀好
ページ範囲:P.250 - P.251
①「Wernicke脳症」かと思ったら…!?—お酒好きの意識障害
著者: 松本貴文 , 志水太郎
ページ範囲:P.252 - P.253
Case
患者:62歳、男性
主訴:意識障害
既往歴:心房細動、高血圧症、脂質異常症、非機能性無症候性下垂体腺腫摘出後
内服:オルメサルタン10mg 1錠/日、ワルファリン3mg 1錠/日、アロプリノール100mg 1錠/日、ビソプロロール0.625mg 2錠/日
生活歴:工場勤務で、1週間交代で日勤・夜勤を繰り返す生活。妻と2人暮らし。食事は不規則でカップ麺か、飲酒のみのことも多い。
嗜好歴:飲酒;毎日ワイン2分の1本+焼酎4杯は飲んでいる。喫煙;30代まで数本/日。
現病歴:飲酒すると、日常的に呂律が回らなくなる。来院当日は夜勤後に飲酒。当初は仕事の疲れと思ったが、脱力感が強く、転倒を繰り返した。妻が見ると、身体をピクピクさせており、失禁を認め、呂律が回っていなかった。普段から寡黙なこともあり、意思疎通ができず救急要請。頭痛なし、悪心・嘔吐なし。
身体所見:身長175cm、体重80kg、BMI 26.1kg/m2。体温37.8℃、血圧177/91mmHg、脈拍数95回/分・不整、呼吸数20回/分、SpO2 97%(室内気)。JCS 2、GCS E4V4M6。
外観;ややぐったりしている。頭頸部;外傷なし。眼瞼結膜貧血・眼球結膜黄染なし。口腔内異常なし、舌咬傷なし。胸部;心音不整、心雑音なし。肺音清。右側胸部に圧痛あり。腹部;腸雑音正常。右側腹部に圧痛あり。
神経(意識障害で指示が入りにくいため制限あり);瞳孔4mm/4mm、対光反射迅速。視野は指示が入らず評価できず。眼球運動障害・眼振なし。顔面感覚低下は調べた範囲ではなし、顔面の運動異常なし。難聴なし。カーテン徴候陰性、舌運動および胸鎖乳突筋・僧帽筋は検査できず。上肢挙上試験は右手回内あり。MMT(徒手筋力テスト)は右上肢のみ4、その他は5。Babinski徴候は両側陰性。腱反射は上腕二頭筋・三頭筋・膝蓋腱反射に低下・亢進なし、左右差なし。回内回外試験は右で拙劣。指鼻指試験・膝踵試験は指示が入らず実施できず。高次脳機能;名前〇、場所×、日付×。質問に答えられなかったり、見当違いの返答あり。会話は呂律が回っていない印象で、構音障害あり。計算は「100-7=91」で間違い。その他の検査は実施できず。
②「脳梗塞」かと思ったら…!?
著者: 関隆実 , 小坂鎮太郎
ページ範囲:P.254 - P.255
Case
患者:54歳、女性
主訴:右麻痺、構音障害
既往歴:消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor:GIST)術後腹膜転移
内服:イマチニブ
嗜好歴:喫煙なし、機会飲酒
現病歴:病前ADL・IADLは自立。受診日の朝、自室で倒れている本人を家族が発見した。呼びかけで開眼するが、右上下肢に力が入らず、呂律が回らない状態であった。家族が救急要請し、朝6時に来院した。最終健常確認は前日23時であった。
意識レベルGCS(Glasgow Coma Scale)E2V3M5、血圧132/74mmHg、脈拍数80回/分・整。痛み刺激に対し右上下肢の動きが悪く、筋力低下が示唆された。頭部CTで、脳出血所見を認めなかった。
③「単なる椎骨動脈解離」かと思ったら…!?
著者: 保科耀司
ページ範囲:P.256 - P.257
Case
患者:77歳、女性
主訴:左半身麻痺
既往歴:脳梗塞
内服:アスピリン81mg/日、アトルバスタチン20mg/日
嗜好歴:喫煙なし、機会飲酒
現病歴:突然発症の左上下肢麻痺を主訴に、救急外来を受診。症状発症から7時間後のNIHSS(National Institutes of Health Stroke Scale)は2点(左の上肢・下肢の下垂で1点ずつ)。3週間前、他院で非外傷性の「左椎骨動脈解離(V2〜V3)」による左視床の虚血性脳梗塞と診断され、アスピリンが開始されていた。その際の頸部血管画像検査で線維筋形成不全様の所見を認めたことから、「線維筋形成不全」が解離の原因と考えられていた。患者は、頭痛・食欲不振、体重減少も訴えている。当院受診時の頸部血管造影CT(図1)と脳MRI(図2)の画像所見を示した。
④五月病!?—仕事はストレスじゃありません!
著者: 鈴木森香
ページ範囲:P.258 - P.259
Case
患者:24歳、女性
主訴:乗り物酔い(通勤時の悪心・嘔吐)
既往歴:なし
内服:ジフェンヒドラミンサリチル酸塩・ジプロフィリン(トラベルミン®)配合錠(頓用)
嗜好歴:喫煙なし、機会飲酒
現病歴:今年の4月に就職してバス通勤を始めた。ゴールデンウィーク明けに、出勤中のバス車内で初めて悪心を自覚し、その後、通勤時に頻回に悪心を認めるようになった。交通手段を電車に変更したが、同様に悪心を自覚するため、仕事を遅刻・早退・欠勤するようになった。
近医内科や耳鼻科を受診したが、診察時は自覚症状もなく、バイタルサインや一般血液検査、平衡機能検査などに異常所見はなく、「動揺病」の診断となった。しかし、内服薬を使用しても症状は改善せず、嘔吐も出現するようになった。原因精査のため上部消化管内視鏡検査を行ったが、特記すべき異常所見は認めなかった。
症状を自覚して4週間後に、精査目的で当院を受診する際の電車内でも悪心を自覚し、病院到着時に嘔吐してしまった。
身体所見:身長155cm、体重65kg(-1.5kg/1カ月)、BMI 27.1kg/m2。体温37.2℃、血圧140/74mmHg、脈拍数114回/分。手指の振戦あり。その他、明らかな異常所見なし。
⑤「椎骨動脈解離による一過性脳虚血発作」かと思ったら…!?
著者: 藤井真理
ページ範囲:P.260 - P.261
Case
患者:70歳、男性
主訴:頸部痛と一過性の右片麻痺
既往歴:過敏性腸症候群
内服:アセトアミノフェン(頓用)
嗜好歴:飲酒;ウイスキー30mL×50年、喫煙;40本×38年間(58歳で禁煙)
現病歴:受診当日の起床時に突然、頸から肩にかけてこれまでに経験のない激痛と両上肢への放散痛を認めた。1時間ほど患部のマッサージを行って症状の改善を図るも、改善しなかった。自身で立ち上がろうとすると右上肢に力が入らず、妻に脇を抱えられながらなんとか歩くのがやっとな状況であった。その30分後、右上肢麻痺は自然に消失し、頸部痛も残存するも徐々に改善を認めたが、精査目的で受診した。
⑥「過換気症候群」かと思ったら…!?
著者: 松尾裕一郎
ページ範囲:P.262 - P.263
Case
患者:34歳、女性
主訴:悪心・嘔吐、心窩部不快感、手足のしびれ
既往歴:強迫症、過換気症候群
内服:パロキセチン5mg/日
嗜好歴:喫煙なし、機会飲酒
現病歴:受診当日の17時頃から悪心・嘔吐および心窩部不快感、22時頃から四肢のしびれが出現。症状が改善しないため、同日23時頃に救急車で救急外来を受診した。軽度の悪心の訴えはあるが、落ち着いて会話は可能。
身体所見:体温36.4℃、血圧93/49mmHg、脈拍数84回/分、呼吸数24回/分、SpO2 100%(室内気)。意識レベル清明(Japan Coma Scale 0)。発汗・振戦なし。四肢の粗大な麻痺なし。瞳孔3mm/3mm、対光反射+/+。一般身体所見に特記すべき異常なし。
⑦「肺塞栓症」かと思ったら…!?
著者: 森川暢
ページ範囲:P.264 - P.265
Case
患者:40歳、女性
主訴:呼吸困難
既往歴:月経困難症、小児喘息
内服:ドロスピレノン・エチニルエストラジオール(ヤーズ®)配合錠(低用量ピル)
嗜好歴:喫煙なし、機会飲酒
現病歴:受診当日の昼から、咳嗽と呼吸困難が出現した。徐々に呼吸困難が増悪し、我慢できなくなったため救急要請した。最近の手術や血痰、胸痛は認めなかった。
SpO2 89%、呼吸数22回/分、脈拍数110回/分、他のバイタルは安定していた。肺音・心音に問題はなく、浮腫や下腿の左右差は認めなかった。胸部X線検査では、肺野に異常を認めなかった。造影CT検査でも肺野の異常は乏しく、肺静脈に血栓は認めなかった。
⑧「急性低音障害型感音難聴(ALHL)」かと思ったら…!?
著者: 折原史奈 , 松本朋弘
ページ範囲:P.266 - P.267
Case
患者:55歳、女性
主訴:左耳閉感
既往歴:左眼網膜剝離、不眠症、突発性難聴
内服:柴苓湯1回1包1日3回(毎食前)、アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物腸溶性顆粒100mg 1回1包1日3回(毎食後)、メコバラミン250μg 1回1錠1日3回(毎食後)、ゾルピデム5mg 1回1錠(頓用)
嗜好歴:喫煙・飲酒なし
社会歴:離婚歴あり、高校生の娘と2人暮らし。総合病院で事務職員として勤務。
現病歴:5年前に左耳突発性難聴の既往があり、1カ月前に美容室で洗髪中に左耳に水が入ったような耳閉感を自覚した。「ジー」という耳鳴も伴って眠れないため、耳鼻科を受診した。内耳所見は異常を認めず、オージオグラムでも聴力は正常パターンを示した。上記内服をしても症状改善に乏しく、就業中にも耳鳴に伴い過換気・パニック発作を生じたため、総合診療科外来へ紹介となった。
⑨「頸椎症」かと思ったら…!?
著者: 鋪野紀好
ページ範囲:P.268 - P.269
Case
患者:70歳、女性
主訴:右肩の痛み
既往歴:糖尿病、高血圧症
内服:ビルダグリプチン100mg/日、メトホルミン1,500mg/日、アムロジピン10mg/日
嗜好歴:喫煙なし、機会飲酒
現病歴:前日の夕方より、右頸部〜上腕にしびれ・痛みが出現した。その後、様子をみていたが改善せず、痛みのために夜間眠れなかった。特に枕の変更はなく、首を動かしても痛みの悪化はない。翌日、内科の定期受診日であったため来院した。
痛みの分布を確認すると、デルマトームのC6〜8領域のあたりに「アロディニア」が認められた。cervical compression testなどの頸部神経根症状誘発テストは陰性であった。同日、頸部X線を撮影した(図1)。
⑩「関連痛には騙されないぞ!」と思っていたけど…
著者: 佐々木陽典
ページ範囲:P.271 - P.273
Case
患者:86歳、女性
主訴:左肩の痛み、立ちくらみ
既往歴:乳がん術後、心房細動、高血圧症
内服:リバーロキサバン10mg/日、カルベジロール2.5mg/日、テルミサルタン40mg/日
嗜好品:喫煙・飲酒なし
現病歴:10日前から、左肩に圧迫されるような持続痛が出現した。2日前から、胸焼けと悪心、立ちくらみを伴うようになったため受診した。腹痛や黒色便・血便はなかった。
身体所見:血圧94/40mmHg、脈拍数63回/分・不整、体温35.5℃。眼瞼結膜蒼白。左肩に圧痛・発赤・腫脹・可動域制限なし。頸部・胸部・腹部ともに圧痛なく、腸雑音も正常だった。末梢冷感を認めたが、浮腫はなかった。直腸診は患者が拒否したため実施せず。
検査:12誘導心電図;心房細動以外に特記すべき所見なし。血液検査;Hb 8.4g/dL、MCV 89.2fLと正球性貧血を認めた。血清トロポニンⅠ陰性。
⑪「非特異的腰痛」が最も多いが…!?
著者: 山本祐
ページ範囲:P.274 - P.275
Case
患者:31歳、男性
主訴:腰痛
既往歴:特記事項なし
社会生活歴:喫煙・飲酒なし。製造業の事務職員。
現病歴:2週間前から腰痛が出現した。鈍い持続痛で安静時も軽減しないため、10日前に当院整形外科を受診した。腰椎X線写真(図1)で異常がなく、ロキソプロフェンとレバミピドが処方された。
内服により若干は和らぐが腰痛が続き、2日前からは夜間就寝中に痛みで目が覚めるようになり、内臓の病気が心配になって内科外来を受診した。外傷や発熱、体重減少、排尿障害、下肢の筋力低下・感覚障害はない。
身体所見:バイタルサインに異常なし。背部・腹部に皮疹なし。腰部正中を中心に自発痛があるが、圧痛・叩打痛はない。仙腸関節に圧痛なし。腰部前後屈での疼痛悪化・可動域制限なし。
⑫「蜂窩織炎」かと思ったら…!?
著者: 齊藤琢真 , 綿貫聡
ページ範囲:P.276 - P.277
Case
患者:77歳、男性
主訴:術後の手指の腫れ
既往歴:心房細動
内服:リバーロキサバン10mg/日、オロパタジン5mg/日、タムスロシン0.2mg/日、ロキソプロフェン60mg/日、レバミピド100mg/日、セファクロル250mg/日
嗜好歴:喫煙なし、飲酒はビール350mL/日
現病歴:9日前、左中指DIP(遠位指節骨間)関節の粘液囊腫の切開を近医整形外科にて行った。2日前に疼痛が増悪したため、同整形外科を再度受診し、手術部位の感染疑いでセファクロルを処方された。受診当日に発赤・腫脹も増悪したため、当院救急外来を受診した。
左中指は手術部位を越えてDIP〜PIP(近位指節骨間)関節まで全体的に腫脹し、色調は暗赤色だった(図1)。疼痛による関節可動域制限は認めたが、感覚障害は認めなかった。患者は、翌日に術後フォローのため近医整形外科を再受診予定だった。
⑬「変形性膝関節症」かと思ったら…!?
著者: 木村浩史 , 鵜木友都
ページ範囲:P.278 - P.279
Case
患者:76歳、女性
主訴:ふらつき
既往歴:高血圧症、糖尿病、変形性膝関節症、Baker囊腫
内服:アムロジピン10mg(1回1錠1日1回)、メトホルミン250mg(1回1錠1日2回)
現病歴:貧血と炎症反応高値の原因精査のため、近医から当院紹介となった。診察中、患者から「膝が痛くて困っています」と相談を受けた。数年前から変形性膝関節症で整形外科に通院しており、定期的に膝の関節注射を受けていた。
身体所見:両膝関節に安静時痛・動作時痛・圧痛あり。
検査所見:当院で行った血液検査所見は、Hb 8.1mg/dL、MCV 78.3fL、WBC 7,230/μL、CRP 12.1mg/dL。ANA 80倍(斑紋型)、抗ds-DNA抗体(-)、抗Sm抗体(-)、抗SS-A/B抗体(-)。整形外科で測定されたRFおよび抗CCP抗体はいずれも陰性。造影CTや内視鏡検査も行ったが、明らかな異常所見はなかった。
⑭「尿路感染症」かと思ったら…!?
著者: 久保崎順子 , 國友耕太郎
ページ範囲:P.280 - P.281
Case
患者:45歳、男性
主訴:左下腹部痛、発熱
既往歴:尿管結石
内服:なし
状況:3次救急病院の21時すぎの救急外来である。多くの患者が来院しており、準夜勤の担当医は夕食をとることもできず空腹で疲れていたが、残り45分ほどで準夜勤が終了するところであった。
現病歴:前日から左下腹部痛が出現し、受診当日から38℃台の発熱を伴うようになったため、夜間救急外来を受診した。嘔吐や下痢はなかった。強い左下腹部痛であることを、しきりに訴えていた。
身体所見:体温38.2℃、呼吸数15回/分、血圧128/86mmHg、脈拍数95回/分。左下腹部に圧痛を認めたが、腹膜刺激症状は認めなかった。肋骨脊柱角(CVA)叩打痛は陰性だった。その他の身体所見は正常であった。
検査所見:血液;WBC 12,170/μL(Neut 82.6%)、CRP 11.97mg/dL。肝機能・腎機能は正常範囲内。尿;未実施。腹部超音波・単純CT;尿管結石はないものの、左水尿管と軽度腎盂拡張がみられた(図1)。
左下腹部痛と画像所見から尿路感染症が疑われ、経口抗菌薬を処方され、同日は帰宅となった。
⑮「薬剤性浮腫」かと思ったら…!?
著者: 田村弘樹
ページ範囲:P.282 - P.283
Case
患者:92歳、男性
主訴:両下腿浮腫
既往歴:便秘症(5年前から)、前立腺肥大症(10年前から)
内服:酸化マグネシウム990mg/日、センノシド12mg/日、ピコスルファート頓用、ルビプロストン48μg/日(3カ月前から)、大建中湯7.5g/日(2カ月前から)、ナフトピジル25mg/日、ミラベグロン50mg/日
嗜好歴:55歳で禁煙(15本/日×35年間)、焼酎250mL/日
現病歴:1カ月前から緩徐に両下腿浮腫が出現し、便秘症でかかりつけ内科を受診した。BNPと甲状腺機能を含む血液検査、胸部X線写真に特記所見はなく、下肢挙上で経過観察するも改善しなかった。徐々に浮腫が増悪し、階段昇降が困難となった。両下腿浮腫の原因精査目的に当科を紹介受診した。生活状況は独居で、毎日の散歩は変わらず行っている。
身体所見:独歩で入室。体温36.4℃、血圧148/64mmHg、脈拍数75回/分、SpO2 96%(室内気)、呼吸数16回/分。両下腿に圧痕性浮腫を認める(図1)。それ以外に特記所見なし。
⑯これゼッタイ「ACNES」でしょう!間違いないッ
著者: 和足孝之
ページ範囲:P.284 - P.285
Case
患者:78歳、女性
主訴:左腹部痛
既往歴:なし
内服:アセトアミノフェン
嗜好歴:なし
現病歴:2日前に左腹部の痛みを自覚し、夜間に救急外来を受診した。前医では血液検査・腹部CT検査などが行われたが、異常所見を認めず「便秘症」と診断された。しかし痛みは改善せず、体幹を少し動かすだけで左腹部に電撃のような痛みが走るため、当院総合診療外来を受診した。
身体所見:バイタルサインは正常範囲。通常の腹部診察で圧痛・反跳痛を認めない。しかし丁寧な診察の結果、腹直筋外側縁(Th11)領域にピンポイントの圧痛を認め、同部位のピンチテスト陽性、Carnett徴候も陽性であった。
疼痛部位に1%リドカイン5mLの局所注射を行うと、痛みが寛解した。しかし、1週間後の外来フォローでは「ずっと背部に痛みが残っている」という訴えがあった。
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2026年3月31日まで)。
⑰下痢;二度あることは三度ある
著者: 青山彩香
ページ範囲:P.286 - P.287
Case
患者:58歳、男性
主訴:下痢
既往歴:高血圧症、過敏性腸症候群疑い
内服・サプリメント:オルメサルタン・メドキソミル/アゼルニジピン配合錠、ポリカルボフィルカルシウム細粒、栄養ドリンク
アレルギー:なし
嗜好歴:喫煙10本/日(20〜28歳)、飲酒なし
生活歴:海外渡航歴;最近10年はなし。野外活動;なし。ペット歴;180cmの水槽に熱帯魚(カージナルテトラ)100匹を飼育している。
現病歴:1年6カ月前に下痢があったが、1カ月で自然改善した。1年1カ月前に7〜8回/日の茶色水様下痢があり、1カ月で体重が78kgから70kgまで減少した。近医を受診し、血圧および腎機能の低下のため2週間ほど入院し改善した。9カ月前に下痢が再度出現し、近医を受診。腹部超音波検査では特記事項なく、Clostridioides difficileトキシン・抗原陰性、甲状腺機能正常であった。造影CT検査では軽度の小腸浮腫を認めるのみ、便培養はKlebsiella aerogenesと腸内細菌であった。「重症再発性下痢」として高度医療センター消化器内科に紹介となり、下部消化管内視鏡検査を施行した。回盲部から直腸にかけて観察し肉眼的に特記事項なく、回盲部の生検で好酸球浸潤を認めた。「過敏性腸症候群疑い」と診断され、補液で改善した。
1カ月前より再び8回/日の下痢が出現し、食欲が低下したため当院を受診した。ストレスは特になく、数年にわたり薬剤変更もない。来院時収縮期血圧90mmHg。血液検査ではBUN 52.8mg/dL、Cre 2.41mg/dLと、普段正常である腎機能の低下を認めた。白血球数・CRPは正常。造影CT検査では前回同様の小腸浮腫像あり。便原虫虫体や脂肪便は認めない。
⑱中年女性の“kissing disease”…!?
著者: 中島浩一
ページ範囲:P.288 - P.289
Case
患者:38歳、女性
主訴:発熱、倦怠感
既往歴:なし
内服:常用薬なし、漢方やサプリメントもなし
アレルギー歴:食物・薬剤ともになし
生活歴:夫と3人の子どもと同居。猫などのペットなし。性交渉歴は夫のみ。家族に同様の症状なし。森林への立ち入りなし。
現病歴:X-6日の夕方に38.5℃の発熱があり、市販の解熱鎮痛薬を使用していた。X-3日に近医を受診し、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)・インフルエンザともに抗原検査陰性で、「急性上気道炎」と診断された。X-2日から体幹・四肢に数mm大の散在する紅斑が出現し、近医で血液検査が行われ、炎症反応高値と肝胆道系酵素上昇を認めた。X日に発熱・倦怠感・頭痛・皮疹を主訴に、当院総合診療科外来を受診した。
身体所見:両側後頸部リンパ節の腫脹・圧痛あり。顔面・体幹・四肢に数mm大の多発する紅斑あり。咽頭発赤なく、白苔付着なし。
血液検査:WBC 6,800/μL(Neut 66.0%、Lym 28.0%、Aty-Lym 3.0%)、Hb 13.7g/dL、Plt 9.1×104/μL、BUN 9mg/dL、Cre 0.78mg/dL、T-Bil 0.8mg/dL、AST 530U/L、ALT 353U/L、γ-GTP 95U/L、LDH 960U/L、ALP 217U/L、フェリチン648ng/mL、CRP 6.9mg/dL、TP 6.2g/dL、Alb 3.7g/dL。HIV-Ⅰ・Ⅱ抗体陰性、HBs抗原陰性、HCV抗体陰性。前医(X-2日);IgA・IgG・IgM上昇なし。抗核抗体陰性。補体低下なし。
腹部超音波検査:胆囊炎、胆管炎なし。肝内腫瘤なし。脾腫(110 mm大)あり。
⑲「膠原病・筋炎疑い」で引き継いだけど…!?
著者: 本郷舞依
ページ範囲:P.290 - P.291
Case
患者:45歳、男性
主訴:全身の筋肉痛、発熱
既往歴:12年前に腰椎椎間板ヘルニアで手術
内服:市販の総合感冒薬
現病歴:4日前に寒気があり、3日前から発熱・倦怠感が出現した。市販薬を服用したが改善せず、1日前に発熱や全身の筋肉痛のため近医を受診し、新型コロナウイルスおよびインフルエンザウイルスの迅速検査は陰性であった。本日も近医を受診し血液検査を実施したところ、炎症反応の上昇(CRP 20.74mg/dL、WBC 8,730/μL)を認め、当院を紹介受診した。
初療医が診察した際には、痛みのために動けず、車椅子を押されて入室。自力での立位は困難で、ベッドに横になるのも一苦労の様子であった。
バイタルサイン:血圧144/103mmhg、脈拍数127回/分、体温38.3℃、呼吸数20回/分、SpO2 99%(室内気)
身体所見(初療医カルテ):眼瞼結膜の貧血・眼球結膜の黄疸なし。頸部リンパ節腫大なし。肺雑音・心雑音は聴診しない。腹部に特記所見なし。上下肢近位筋の把握痛は軽度で、腰痛・肩などの関節痛が顕著。
以上より、「多発性筋炎などの膠原病疑い」として入院主治医を引き継いだ。
⑳「流行性筋痛症」かと思ったら…!?
著者: 西澤俊紀
ページ範囲:P.292 - P.293
Case
患者:60歳、男性
主訴:発熱、全身の痛み
既往歴:高血圧症、脂質異常症
内服:バルサルタン80mg/日、アムロジピン5mg/日、ロスバスタチン2.5mg/日
嗜好歴:喫煙なし、機会飲酒
現病歴:5日前、誘引なく「突然、肺に何かが詰まった」ようなエピソードを自覚した。その後、37℃台後半の微熱、四肢の筋肉痛、腰痛、悪心・嘔吐を自覚し、4日前に前医を受診し、血液検査ではWBC 11,000/μL、CRP 1.0mg/dLであった。誤嚥のようなエピソードを話されたので胸部X線写真を撮影したが、明らかな浸潤影を認めなかった。周囲の流行状況や、発熱と筋肉痛から「流行性筋痛症」と診断され、解熱鎮痛薬の対症療法を指示された。しかし、その後も発熱や全身の痛みが改善せず、原因精査目的で当院を独歩で受診した。
身体所見:当院受診時に、受付の自動血圧計では血圧測定がエラーとなり、看護師が血圧測定すると110/60mmHgであった(普段は上記の降圧薬を内服して120/70mmHg)。その他のバイタルサインは、意識清明、体温35.9℃、脈拍数98回/分、呼吸数16回/分、SpO2 100%(室内気)で、全身状態の印象も良好。心音を聴診すると、拡張期早期の心雑音を認めた。手掌や足掌、耳介、眼球結膜、爪に点状出血やOsler結節、Janeway斑を認めない。口腔内環境良好、う歯を認めない。全身の痛みに関しては、特に右肩と左大腿が痛いという訴えであったが、関節に腫脹・圧痛・発赤・熱感および可動域制限を認めなかった。四肢の筋肉に把握痛・圧痛を認めない。肋骨脊柱角(CVA)の叩打痛・腸腰筋徴候は陰性。
㉑「かぜ」という言葉で見落とされる感染症
著者: 髙橋宏瑞
ページ範囲:P.294 - P.295
Case
患者:29歳、男性
主訴:発熱、咽頭痛
既往歴:子どもの頃によくかぜをひいていたが、成人してからは特に持病や重篤な疾患はなし。5年前に東南アジアを旅行した際、短期間だが下痢を経験。
内服:かぜの症状が出始めたため、市販の感冒薬を服用開始した。しかし効果を感じず、3日後には解熱薬を追加で使用。5年前の旅行時の下痢には、一時的に整腸薬を使用した。
嗜好歴:喫煙20本/日×10年。週に2〜3回の社交的な飲酒、ビールやウイスキーを好む。
現病歴:約1週間前から咽頭痛と38.5℃以上の発熱が持続し、市販薬での自己治療を試みたが改善されなかった。3日前から全身のだるさ・食思不振・関節痛も出現。特に朝方に汗がよく出る。昨夜からは首のうしろ・耳の下にリンパ節の腫れを自覚。休養をとっても疲れがとれず、「今までのかぜとは違う気がする」と感じている。
㉒若年女性の腹痛—入院中発症なので妊娠の可能性は100%ありません!?
著者: 河東堤子
ページ範囲:P.296 - P.297
Case
患者:21歳、女性
主訴:腹痛、嘔吐
既往歴:適応反応症、イレウス(腹部手術歴なし)
内服:ロラゼパム、ブロチゾラム(不眠時頓用)
嗜好歴:飲酒・喫煙ともになし
現病歴:適応反応症のため、3カ月前より精神科入院中。5日前・3日前に悪心症状があり、メトクロプラミドを使用されていた。当日も朝から悪心があり、朝食後に計3回の嘔吐があった。徐々に悪心が増悪し、心窩部痛もみられ始めたが、その後、疼痛部位は臍下部へ移動した。腹痛は間欠痛で、嘔吐により若干の軽快がみられた。症状が改善せず、「急性腹症」の疑いで精査のため当院を紹介受診した。精神科からの紹介状には「急性虫垂炎、消化性潰瘍、腸閉塞、婦人科疾患の可能性がある」「(右下腹部圧痛を呈していることから)特に虫垂炎の除外を」「入院中の患者であるため、妊娠の可能性は100%ない」と記載されていた。
当院受診時身体所見:腹部平坦・軟、右下腹部〜臍下部に圧痛あり。
㉓症状・所見は常に非特異的…!?
著者: 大塚勇輝 , 大塚文男
ページ範囲:P.298 - P.300
Case
患者:60代、男性
主訴:倦怠感、食思不振
既往歴・併存症:狭心症
家族歴:母と妹が関節リウマチ
現病歴:生来健康で社交的な性格であった。定年退職後のX-3年より特に誘因なく全身倦怠感と食思不振が持続するためA病院内科を受診し、また経過中に関節変形も認めたためB病院の膠原病専門外来も受診したが、それらの原因は不明のままであった。器質的異常が指摘されないことから、最終的にC病院精神科で「うつ病」と診断され入院となり、薬物療法やリハビリテーションが施行されたが、徐々に症状は増悪した。寝たきり状態となり、経口摂取困難のため胃ろうも造設された。3年間の経過ののち、本人の精査希望により、X年に当院総合内科へ紹介となった。
身体所見:身長164cm、体重44kg、BMI 16.5kg/m2。血圧122/80mmHg、脈拍数77回/分、体温36.7℃。顔貌は仮面様。挺舌の制限や構音障害あり。甲状腺腫なし。心音整、心雑音なし。肺野ラ音なし。腹部平坦・軟、圧痛なし。手指に熱感・腫脹はないが、リウマチ様変形あり(図1)。肘・膝関節の拘縮あり。皮膚色素沈着を認めず。
内服:精神科;クロチアゼパム、エチゾラム、ミルタザピン、内科;ラベプラゾール、耐性乳酸菌製剤、モサプリド、酸化マグネシウム、クエン酸第一鉄、アスコルビン酸・パントテン酸配合剤、ニトログリセリンテープ
㉔「適応反応症」かと思ったら…!?
著者: 飯塚玄明
ページ範囲:P.301 - P.303
Case
患者:38歳、女性
主訴:抑うつ
既往歴:24歳時に、詳細は不明だが心療内科への受診歴あり。片頭痛。
内服:なし
現病歴:X-7日から、抑うつと頭痛の増悪を自覚。芸能人が自殺したニュースがきっかけであり、自身も不安から逃れるのは困難であると感じていた。ほぼ毎日、ほとんど通日、抑うつ気分・食思不振(1週間で体重は55→52kg)・中途覚醒・疲労感を自覚した。X-2日には、子どもたちと一緒に死んでしまいたいと思うことも一度あった。この1週間は仕事も行けておらず、家事を行うのも困難だった。「うつ病」の症状としては診断基準1)の4/9項目に留まり、症状持続期間は1週間のみで、はっきり確認できるストレス因に反応し症状が出現していた。妄想・幻覚・躁病エピソードはなかった。既往の片頭痛と同様の頭痛が増悪しており、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)で対応していた。身体所見は脱水のみで、血液検査でも特記事項はなし。希死念慮はあるが、自殺企図はなかった。
㉕突然発症の「更年期障害」…!?
著者: 德島緑 , 多胡雅毅
ページ範囲:P.304 - P.305
Case
患者:55歳、女性
主訴:就寝時の寝苦しさ
既往歴・内服:なし
嗜好歴:喫煙歴なし。機会飲酒。甘い物を好み、間食は多め。
最終月経:6カ月前
現病歴:4日前の夕方、犬の散歩中に心窩部の違和感が出現し、5分ほど座って休憩したあと歩いて帰宅した。1時間で違和感は消失したが、同日夜から就寝時に呼吸がしにくい気がしたため、3日前に近医を受診。同院での診察・血液・胸部単純X線・心電図検査に異常はなく「更年期障害」を疑われたが、その後も夜間の症状が持続するため当科を受診した。
身体所見:BMI 22.5kg/m2。血圧103/70mmHg(普段は130/80mmHg程度)、脈拍数60回/分で、その他バイタルサインに異常なし。
重篤感はなく、冗談を交え世間話をできるような状況であった。頭頸部・胸腹部・四肢に異常所見はないものの、本人の不安もあり血液・胸部単純X線・心電図検査を再検した。
今月の「めざせ! 総合診療専門医!」問題
ページ範囲:P.306 - P.307
本問題集は、今月の特集のご執筆者に、執筆テーマに関連して「総合診療専門医なら知っておいてほしい!」「自分ならこんな試験問題をつくりたい!」という内容を自由に作成していただいたものです。力試し問題に、チャレンジしてみてください。
Editorial
「コモンディジーズに真に精通する」とは? フリーアクセス
著者: 鋪野紀好
ページ範囲:P.249 - P.249
総合診療医に求められる資質・能力とは何であろうか? その1つには、「総合的に患者・生活者を診る」ということがあげられる。このなかには、「患者中心の医療」「包括的統合アプローチ」「連携重視のマネジメント」「地域志向アプローチ」など、多彩な能力が含まれる。これらは良質な医療を提供するために必要不可欠な能力であるが、その基盤として備えるべきは「一般的な健康問題に対応する診療能力」であることを強調したい。総合診療医は特定臓器にとらわれず、生物・心理・社会的要因が関わる無数の疾患と対峙する。時には患者から、「私は何の病気なのでしょう?」と問われることがある。その時に「いえ、うちの科ではないですから…」と答える時の苦しさは、患者はもとより、それを言う医師にも共通することだ。プライマリ・ケアの最前線で診療に従事する者にとって、「診断する」という能力はその幹にあるべき能力なのだ。
では、その「診断する能力」を身につけるには、どうしたらよいだろうか? その近道が「コモンディジーズに精通する」ことである。「シマウマ探し」という名言があるように、コモンディジーズはその名のとおり、日常診療で高頻度に遭遇する疾患である。いきなり稀な疾患を考えるより、まずはコモンディジーズを想起しアプローチすることは、限られた診療時間のなかでも効率的に質の高い医療を提供するために必要不可欠である。
What's your diagnosis?[255]
介達痛が無いのは心外です
著者: 柴田裕介 , 上田剛士
ページ範囲:P.243 - P.246
病歴
患者:57歳、女性
主訴:胸痛
現病歴:受診2カ月前から誘引なく左前胸部痛が出現し、以降、間欠的に胸痛が続くため当院受診した。胸痛は深呼吸・咳で増悪するが、体動・労作では増悪しない。主に鈍痛でたまにチクチク痛む。疼痛部位は左前胸部(乳房下部)がメインで、左側胸部や左腋窩が痛むこともある。胸痛は誘因なく出現して、数分〜数十分間持続する。痛みのため寝込むこともあるが、1週間痛みがないこともある。
ROS陰性:咳嗽、呼吸困難、発熱、体重減少、皮疹、嘔気、冷汗、耳介や鼻の腫脹
既往歴:気管支喘息、逆流性食道炎、子宮筋腫(子宮全摘後)
内服歴:モンテルカスト、ビラスチン、ポノプラザン、フルチカゾンフランカルボン酸エステル吸入
アレルギー歴:薬剤なし、食物なし、花粉症あり
喫煙歴:なし
飲酒歴:なし
対談|医のアートを求めて・7
医療×音楽—「好き」を追求して生きる 歌手として、そして医師として(後編)
著者: アン・サリー , 平島修
ページ範囲:P.319 - P.325
本誌1月号掲載の「前編」(本誌34巻1号pp75〜81)に引き続いて、シンガーソングライターであり医師であるアン・サリーさんに、ご自身のこれまでの人生について、そして「音楽のチカラ」についてお話を聴いた。
対話が深まるにつれ、知られざるアン・サリーさんの真の姿が、美しく浮き彫りになる。
「好き」を追求して生きるとはどういうことなのか? そして「アート」とは何か?
長時間にわたった対談を2回に分けて、今号では「後編」をお届けする。 (平島修)
ジェネラリストに必要な ご遺体の診断学・12
—ご遺体の検査❸—「穿刺」の応用
著者: 森田沙斗武
ページ範囲:P.326 - P.329
Case
患者:63歳、男性。妻と死別してから独居。
既往歴:アルコール性肝障害
現病歴:酒浸りの生活が続いており、近隣に住む長女に健康を心配され、3年前に当院を受診。血液検査にて著明な肝障害を認め、栄養状態も不良であったため、「このままの生活では数年で亡くなってしまうかもしれませんよ」とアルコールを控えるよう説明したが、飲酒をやめる意思はなさそうであった。長女の話では、「今後、病院には行かない」と断言していたという。体調を心配した長女が数日に1回程度の頻度で自宅に様子を見に行っていた。
某日14時頃、長女が自宅を訪問したが応答がないため、合鍵で室内に入ったところ、居間の床上に仰向けで倒れている患者を発見。意識がないため、14時14分に119番通報、22分に救急隊が現地到着、25分に硬直を認め不搬送決定となった。
警察の捜査により事件性はないと判断され、最後の受診歴が当院であったため問い合わせがあった。当院にて「数年後に亡くなる」と言われ、実際に亡くなったことから、当院で死亡診断書が書けないかと相談された。拒否することもできたが、連載『ご遺体の診断学』で勉強していることもあり了承した。
検案してみると、ご遺体に黄疸や腹水による腹部膨満を認めず、肝硬変に特徴的な身体所見は確認できなかった。後頭窩穿刺で髄液は透明であり、心臓穿刺で心臓血に凝血が混じることを確認したため、死因は「アルコール性肝障害」で矛盾しないと考えられた。そのため死亡診断書を作成し、警察や遺族からも喜ばれたが、「矛盾しない」ではなく、もう少し確定的な診断に至る方法がないかとモヤモヤした。
オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・86
納豆は海人(うみんちゅ)に食わすな!?
著者: 大城亜怜 , 佐々木秀章 , 徳田安春 , 仲里信彦 , 鈴木智晴 , 佐藤直行
ページ範囲:P.333 - P.337
CASE1
患者:30代、男性。
病歴:起床時に気分不良、嘔気、めまい、皮膚瘙痒感を感じた。呼吸困難感もあり、当院救急外来を受診した。
来院時、血圧111/78mmHg、脈拍数94回/分、呼吸数18回/分、酸素飽和度96%(室内気)。意識清明。両上肢、体幹部に瘙痒感を伴う膨隆疹あり。瘙痒感は受診時には改善傾向であった。顔面、口唇の浮腫は認めない。下痢や嘔吐など消化器症状なし。呼吸困難感はあるが呼吸音は左右差なく、cracklesやwheezes、stridorは認めなかった。
既往歴に特記事項なし。アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー疾患なし。
【エッセイ】アスクレピオスの杖—想い出の診療録・47
忘れえぬ患者さんとの出会い〜神経難病における和温療法〜
著者: 天野惠子
ページ範囲:P.338 - P.339
本連載は、毎月替わる著者が、これまでの診療で心に残る患者さんとの出会いや、人生を変えた出来事を、エッセイにまとめてお届けします。
Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー!医学と日常の狭間で|患者さんからの素朴な質問にどう答える?・48【最終回】
味覚性発汗とは?
著者: 上田剛士
ページ範囲:P.340 - P.343
患者さんからのふとした質問に答えられないことはないでしょうか? 素朴な疑問ほど回答が難しいものはありませんが、新たな気づきをもたらす良問も多いのではないでしょうか? 本連載では素朴な疑問に、文献的根拠を提示しながらお答えします!
臨床医のためのライフハック│限りある時間を有効に使う仕事術・12
—学術活動—自分の研究を知ってもらい、人脈をつくる「学会発表・参加」の秘訣
著者: 中島啓
ページ範囲:P.344 - P.347
時間がない! 臨床医の仕事は診療だけにあらず、事務、教育、自己学習、研究、学会発表、情報発信、所属組織の運営などなど、尽きることはありません。もちろんプライベートの生活もあり、「時間不足」は臨床医の永遠の課題です。では、一度きりの“医師人生”の限られた時間を、どう有効に使うのか? 筆者が培ってきた「ライフハック(仕事術)」のすべてを、余すところなく開陳します。
臨床教育お悩み相談室|どうする!?サロン・13
“会心”の回診にする「MiPLAN」あります!
著者: 佐田竜一 , 木村武司 , 長野広之
ページ範囲:P.348 - P.352
今月のお悩み
卒後7年目の医師です。チームリーダーとなり、「回診」をすることが増えました。意思疎通がとれる患者さんとはお話ししながら、研修医には病歴聴取のポイントを伝えたり、特徴的な身体所見がある場合は自分でとってもらったりして身体診察の大切さを伝えようと心がけているつもりです。でも、いまいち研修医の先生に響いている自信がありません。何かコツはありますか?
[ペンネーム:ガンジー]
投稿 GM Clinical Pictures
わからなければ我々が呼吸困難になる
著者: 若林崇雄 , 古川直幸 , 石橋幹之介 , 秋山由樹 , 須藤大智 , 渡邉智之 , スフィ・ノルハニ
ページ範囲:P.331 - P.332
CASE
患者:リウマチ性多発筋痛症の既往のある90代女性。3カ月持続する水疱精査目的に紹介受診。
現病歴:来院3カ月前より右鼠径部・右上腕に水疱が出現、かかりつけの内科から近医皮膚科に紹介された。類天疱瘡を疑われて抗デスモグレイン抗体、抗BP180抗体を調べたが、いずれも陰性。血液検査は微弱なCRP上昇を示したため、リウマチ性多発筋痛症の再燃が疑われプレドニゾロン(PSL)15mgが開始されたが、皮膚所見の改善は認められず、むしろ増悪傾向であったため、精査目的に当科に紹介された。既往歴:リウマチ性多発筋痛症、左大腿骨頸部骨折。
内服薬:カルベジロール、アムロジピン、トリクロルメチアジド、ラベプラゾール、PSL(5mg)、モンテルカスト。ADL:もともと独居で生活周辺動作はほぼ自立していた。飲酒歴・喫煙歴:共になし。
受診時のバイタルサイン:意識清明、血圧142/99mmHg、脈拍数78回/分・整、体温35.9℃(腋窩温)、呼吸数18回/分、酸素飽和度98%(室内気)。General appearance:not so good。
身体所見:両下肢に浮腫を認める。両足背に直径約6cmの破綻した表皮下水疱、右上肢に3cm程度の水疱と自然吸収を認める(図1)。
入院時血液検査:eGFR 36.5mL/分/1.73m2、CRP 2.73mg/dL、NT-proBNP 319.8pg/mL、D-dimer 3.22ug/mL、抗BP180抗体・抗Dsg1抗体・抗Dsg3抗体いずれも陰性。
経過:入院後、下肢静脈エコーや造影computed tomography(CT)検査、心臓超音波検査に特記すべき異常を認めなかった。入院当日は目立たなかったが、第3病日より呼気延長し、呼吸回数が23回/分程度に増多した。また肺野所見なく、咽喉頭領域にstridorを聴取、酸素飽和度の低下はなかったが、呼吸困難感を訴えた。このためわれわれは喉頭領域の気管支狭窄を考慮して、耳鼻咽喉科にコンサルトした。その際の喉頭ファイバースコープ所見を示す(図2)。
#総合診療
#今月の特集関連本 フリーアクセス
ページ範囲:P.273 - P.273
#今月の特集関連本 フリーアクセス
ページ範囲:P.300 - P.300
#今月の特集関連本 フリーアクセス
ページ範囲:P.303 - P.303
#今月の特集関連本 フリーアクセス
ページ範囲:P.310 - P.311
#今月の連載関連本 フリーアクセス
ページ範囲:P.347 - P.347
#今月の連載関連本 フリーアクセス
ページ範囲:P.352 - P.352
#医学書院の新刊 フリーアクセス
ページ範囲:P.312 - P.313
#書評:患者の意思決定にどう関わるか?—ロジックの統合と実践のための技法 フリーアクセス
著者: 田代志門
ページ範囲:P.315 - P.315
新しい時代の専門家の在り方を示す
「臨床意思決定」のテキストの決定版であり、今後1つの基準となる本である。
この半世紀で医療における意思決定の在り方は様変わりし、医師が患者の最善を考えて治療法を決めるスタイルから、医師からの情報提供を受けて患者が自身の治療法を決めるスタイルへと大きく変化した。
#書評:感染対策60のQ&A フリーアクセス
著者: 山田和範
ページ範囲:P.317 - P.317
自身と現場のレベルアップに生かせる本
コロナ禍を経て、すべての医療従事者は以前にも増して、正しい知識に基づいた感染対策を実践することを求められるようになった。得てして、施設の感染対策では、現場と管理側スタッフの行動が乖離していることがある。真面目な管理スタッフほど無意識に正論を振りかざし、現場スタッフは「感染は現場で起きているんだ!」と言いたい気持ちをこらえ、独自のルールを運用してささやかな抵抗をしていたりする。両者がめざすゴールは同じで、「感染から患者さんと医療スタッフを守りたい」はずなのだが…。そして、この小さな綻びを突いて、感染症やアウトブイレクが発生したりする。このような「現場と管理側スタッフとの行動の乖離」は、突き詰めれば両者の視点がズレていることが原因である。このズレを解消する糸口の1つとなるのが本書である。
一般的にハウトゥ本の記載は、最新の充実した施設が前提となっていることが多く、そうではない(経年が目立ち設備面でも恵まれていない)施設では、「そこまでできないなぁ」と諦めがちである。しかし本書は、充実した環境での対応のみならず、現在のセッティングでできることにも言及しており、どんな施設・環境であっても感染対策に取り組むうえでの羅針盤になる。そして、押さえるべきポイントはしっかりと押さえられており、妥協がない部分は小気味よい。
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目次 フリーアクセス
ページ範囲:P.240 - P.241
読者アンケート
ページ範囲:P.309 - P.309
『総合診療』編集方針 フリーアクセス
ページ範囲:P.353 - P.353
1991年に創刊した弊誌は、2015年に『JIM』より『総合診療』に誌名を変更いたしました。その後も高齢化はさらに進み、社会構造や価値観、さらなる科学技術の進歩など、日本の医療を取り巻く状況は刻々と変化し続けています。地域医療の真価が問われ、ジェネラルに診ることがいっそう求められる時代となり、ますます「総合診療」への期待が高まってきました。これまで以上に多岐にわたる知識・技術、そして思想・価値観の共有が必要とされています。そこで弊誌は、さらなる誌面の充実を図るべく、2017年にリニューアルをいたしました。本誌は、今後も下記の「編集方針」のもと、既存の価値にとらわれることなく、また診療現場からの要請に応え、読者ならびに執筆者のみなさまとともに、日本の総合診療の新たな未来を切り拓いていく所存です。
2018年1月 『総合診療』編集委員会
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34巻12号(2024年12月発行)
特集 妊婦・褥婦が外来に来たらUpdate—症状対応からワクチン・プラネタリーヘルスまで
34巻11号(2024年11月発行)
特集 電子カルテとベッドサイドの壁を打ち破る!—患者情報の「言語化」への挑戦
34巻10号(2024年10月発行)
特集 化かしが得意なカメレオンな疾患を捕まえろ!—よくある騙され方のゲシュタルト
34巻9号(2024年9月発行)
特集 今伝えたいクリニカル・パール—つくり方、使い方、活かし方
34巻8号(2024年8月発行)
特集 ストーン・ウォーズ 果てしなき“石”と医師との闘い
34巻7号(2024年7月発行)
特集 どうする!? 健診異常—これってホントに異常なの? どう説明する?
34巻6号(2024年6月発行)
特集 医師のウェルビーイング
34巻5号(2024年5月発行)
特集 —優柔不断にサヨウナラ!—あなたの「臨床判断」を高めるケーススタディ11選
34巻4号(2024年4月発行)
特集 困ったときの漢方—この症状に役立ちます!
34巻3号(2024年3月発行)
特集 —え、ウソ!実は◯◯だった!?—“コモンディジーズ”の診断ピットフォール
34巻2号(2024年2月発行)
特集 日常診療で出合う筋骨格疾患—脳神経内科と整形外科からのアプローチ
34巻1号(2024年1月発行)
特集 —“体験型”臨床クイズで習得する!—フィジカル診断エクセレンス
33巻12号(2023年12月発行)
特集 海の外へ渡る航行者を診る—アウトバウンドにまつわるetc.
33巻11号(2023年11月発行)
特集 —続・総合診療外来に“実装”したい—最新エビデンスMy Best 3
33巻10号(2023年10月発行)
特集 ○×クイズ110問!日常診療アップグレード—Choosing WiselyとHigh Value Careを学ぼう
33巻9号(2023年9月発行)
特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門
33巻8号(2023年8月発行)
特集 都市のプライマリ・ケア—「見えにくい」を「見えやすく」
33巻7号(2023年7月発行)
特集 “消去法”で考え直す「抗菌薬選択」のセオリー—広域に考え、狭域に始める
33巻6号(2023年6月発行)
特集 知っておくべき!モノクロな薬たち(注:モノクローナル抗体の話ですよ〜)
33巻5号(2023年5月発行)
特集 —疾患別“イルネススクリプト”で学ぶ—「腹痛診療」を磨き上げる22症例
33巻4号(2023年4月発行)
特集 救急対応ドリル—外来から在宅までの60問!
33巻3号(2023年3月発行)
特集 —自信がもてるようになる!—エビデンスに基づく「糖尿病診療」大全—新薬からトピックスまで
33巻2号(2023年2月発行)
特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き!
33巻1号(2023年1月発行)
特集 COVID-19パンデミック 振り返りと将来への備え
32巻12号(2022年12月発行)
特集 レクチャーの達人—とっておきの生ライブ付き!
32巻11号(2022年11月発行)
特集 不定愁訴にしない“MUS”診療—病態からマネジメントまで
32巻10号(2022年10月発行)
特集 日常診療に潜む「処方カスケード」—その症状、薬のせいではないですか?
32巻9号(2022年9月発行)
特集 総合診療・地域医療スキルアップドリル—こっそり学べる“特講ビデオ”つき!
32巻8号(2022年8月発行)
特集 こんなところも!“ちょいあて”エコー—POCUSお役立ちTips!
32巻7号(2022年7月発行)
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32巻6号(2022年6月発行)
特集 総合診療外来に“実装”したい最新エビデンス—My Best 3
32巻5号(2022年5月発行)
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32巻4号(2022年4月発行)
特集 えっ、これも!? 知っておきたい! 意外なアレルギー疾患
32巻3号(2022年3月発行)
特集 AI時代の医師のクリニカル・スキル—君は生き延びることができるか?
32巻2号(2022年2月発行)
特集 —withコロナ—かぜ診療の心得アップデート
32巻1号(2022年1月発行)
特集 実地医家が楽しく学ぶ 「熱」「炎症」、そして「免疫」—街場の免疫学・炎症学
31巻12号(2021年12月発行)
特集 “血が出た!”ときのリアル・アプローチ—そんな判断しちゃダメよ!
31巻11号(2021年11月発行)
特集 Q&Aで深める「むくみ診断」—正攻法も!一発診断も!外来も!病棟も!
31巻10号(2021年10月発行)
特集 医師の働き方改革—システムとマインドセットを変えよう!
31巻9号(2021年9月発行)
特集 「検査」のニューノーマル2021—この検査はもう古い? あの新検査はやるべき?
31巻8号(2021年8月発行)
特集 メンタルヘルス時代の総合診療外来—精神科医にぶっちゃけ相談してみました。
31巻7号(2021年7月発行)
特集 新時代の「在宅医療」—先進的プラクティスと最新テクノロジー
31巻6号(2021年6月発行)
特集 この診断で決まり!High Yieldな症候たち—見逃すな!キラリと光るその病歴&所見
31巻5号(2021年5月発行)
特集 臨床医のための 進化するアウトプット—学術論文からオンライン勉強会、SNSまで
31巻4号(2021年4月発行)
特集 消化器診療“虎の巻”—あなたの切実なギモンにズバリ答えます!
31巻3号(2021年3月発行)
特集 ライフステージでみる女性診療at a glance!—よくあるプロブレムを網羅しピンポイントで答えます。
31巻2号(2021年2月発行)
特集 肺炎診療のピットフォール—COVID-19から肺炎ミミックまで
31巻1号(2021年1月発行)
特別増大特集 新型コロナウイルス・パンデミック—今こそ知っておきたいこと、そして考えるべき未来
30巻12号(2020年12月発行)
特集 “ヤブ化”を防ぐ!—外来診療 基本の(き) Part 2
30巻11号(2020年11月発行)
特集 診断に役立つ! 教育で使える! フィジカル・エポニム!—身体所見に名を残すレジェンドたちの技と思考
30巻10号(2020年10月発行)
特集 —ポリファーマシーを回避する—エビデンスに基づく非薬物療法のススメ
30巻9号(2020年9月発行)
特集 いつ手術・インターベンションに送るの?|今でしょ! 今じゃないでしょ! 今のジョーシキ!【感染症・内分泌・整形外科 編】
30巻8号(2020年8月発行)
特集 マイナーエマージェンシー門外放出—知っておくと役立つ! テクニック集
30巻7号(2020年7月発行)
特集 その倦怠感、単なる「疲れ」じゃないですよ!—筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群とミミック
30巻6号(2020年6月発行)
特集 下降期慢性疾患患者の“具合”をよくする—ジェネラリストだからできること!
30巻5号(2020年5月発行)
特集 誌上Journal Club—私を変えた激アツ論文
30巻4号(2020年4月発行)
特集 大便強ドリル—便秘・下痢・腹痛・消化器疾患に強くなる41問!
30巻3号(2020年3月発行)
特集 これではアカンで!こどもの診療—ハマりがちな11のピットフォール
30巻2号(2020年2月発行)
特集 いつ手術・インターベンションに送るの?|今でしょ! 今じゃないでしょ! 今のジョーシキ!【循環器・消化器・神経疾患編】
30巻1号(2020年1月発行)
特集 総合診療医の“若手ロールモデル”を紹介します!—私たちはどう生きるか
29巻12号(2019年12月発行)
特集 困っている“あなた”に届く 認知症診療
29巻11号(2019年11月発行)
特集 臨床写真図鑑 レアな疾患編—見逃したくない疾患のコモンな所見
29巻10号(2019年10月発行)
特集 教えて!医師のためのビジネス・スキル
29巻9号(2019年9月発行)
特集 “ヤブ化”を防ぐ!—外来診療 基本の(き)
29巻8号(2019年8月発行)
特集 —ノーモア見逃し—日常の検査と画像に潜むピットフォール
29巻7号(2019年7月発行)
特集 リウマチ・膠原病ミミック症例帖—“膠原病っぽくみえてしまう疾患たち”にだまされない!
29巻6号(2019年6月発行)
特集 皮膚科診療エクササイズ—1枚の写真から
29巻5号(2019年5月発行)
特集 一般外来で診断できたら「えっへん!」な疾患38
29巻4号(2019年4月発行)
特集 “ナゾ”の痛み診療ストラテジー|OPQRSTで読み解く
29巻3号(2019年3月発行)
特集 —あなたのギモンに答えます!—循環器診療のハードルを下げるQ&A31
29巻2号(2019年2月発行)
特集 意外な中毒、思わぬ依存、知っておきたい副作用—一般外来で!OTCも処方薬も!
29巻1号(2019年1月発行)
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28巻12号(2018年12月発行)
特集 こんなときこそ漢方を!
28巻11号(2018年11月発行)
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28巻10号(2018年10月発行)
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28巻9号(2018年9月発行)
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28巻8号(2018年8月発行)
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28巻7号(2018年7月発行)
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28巻6号(2018年6月発行)
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28巻2号(2018年2月発行)
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27巻12号(2017年12月発行)
特集 小児診療“苦手”克服!!—劇的Before & After
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27巻10号(2017年10月発行)
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27巻9号(2017年9月発行)
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27巻8号(2017年8月発行)
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27巻7号(2017年7月発行)
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27巻4号(2017年4月発行)
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27巻2号(2017年2月発行)
特集 The総合診療ベーシックス—白熱!「総合診療フェスin OKINAWA」ライブ・レクチャー! 一挙公開 フィジカル動画付!
27巻1号(2017年1月発行)
特集 総合診療の“夜明け”—キーマンが語り尽くした「来し方、行く末」
26巻12号(2016年12月発行)
特集 これでパッチリ! 眼の健康問題
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特集 内科診療を劇的に変える“まとめ”の達人
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26巻8号(2016年8月発行)
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25巻12号(2015年12月発行)
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