文献詳細
特集 —え、ウソ!実は◯◯だった!?—“コモンディジーズ”の診断ピットフォール
文献概要
Case
患者:24歳、女性
主訴:乗り物酔い(通勤時の悪心・嘔吐)
既往歴:なし
内服:ジフェンヒドラミンサリチル酸塩・ジプロフィリン(トラベルミン®)配合錠(頓用)
嗜好歴:喫煙なし、機会飲酒
現病歴:今年の4月に就職してバス通勤を始めた。ゴールデンウィーク明けに、出勤中のバス車内で初めて悪心を自覚し、その後、通勤時に頻回に悪心を認めるようになった。交通手段を電車に変更したが、同様に悪心を自覚するため、仕事を遅刻・早退・欠勤するようになった。
近医内科や耳鼻科を受診したが、診察時は自覚症状もなく、バイタルサインや一般血液検査、平衡機能検査などに異常所見はなく、「動揺病」の診断となった。しかし、内服薬を使用しても症状は改善せず、嘔吐も出現するようになった。原因精査のため上部消化管内視鏡検査を行ったが、特記すべき異常所見は認めなかった。
症状を自覚して4週間後に、精査目的で当院を受診する際の電車内でも悪心を自覚し、病院到着時に嘔吐してしまった。
身体所見:身長155cm、体重65kg(-1.5kg/1カ月)、BMI 27.1kg/m2。体温37.2℃、血圧140/74mmHg、脈拍数114回/分。手指の振戦あり。その他、明らかな異常所見なし。
患者:24歳、女性
主訴:乗り物酔い(通勤時の悪心・嘔吐)
既往歴:なし
内服:ジフェンヒドラミンサリチル酸塩・ジプロフィリン(トラベルミン®)配合錠(頓用)
嗜好歴:喫煙なし、機会飲酒
現病歴:今年の4月に就職してバス通勤を始めた。ゴールデンウィーク明けに、出勤中のバス車内で初めて悪心を自覚し、その後、通勤時に頻回に悪心を認めるようになった。交通手段を電車に変更したが、同様に悪心を自覚するため、仕事を遅刻・早退・欠勤するようになった。
近医内科や耳鼻科を受診したが、診察時は自覚症状もなく、バイタルサインや一般血液検査、平衡機能検査などに異常所見はなく、「動揺病」の診断となった。しかし、内服薬を使用しても症状は改善せず、嘔吐も出現するようになった。原因精査のため上部消化管内視鏡検査を行ったが、特記すべき異常所見は認めなかった。
症状を自覚して4週間後に、精査目的で当院を受診する際の電車内でも悪心を自覚し、病院到着時に嘔吐してしまった。
身体所見:身長155cm、体重65kg(-1.5kg/1カ月)、BMI 27.1kg/m2。体温37.2℃、血圧140/74mmHg、脈拍数114回/分。手指の振戦あり。その他、明らかな異常所見なし。
参考文献
1)Ebert EC : The thyroid and the gut. J Clin Gastroenterol 44(6) : 402-406, 2010. PMID 20351569
2)Soyeon S, et al : Thyrotoxic Vomiting ; a case report and possible mechanisms. J Neurogastroenterol Motil 16(4) : 428-432, 2010. PMID 21103426
3)Zhang LL, et al : Motion sickness ; current knowledge and recent advance. CNS Neurosci Ther 22(1) : 15-24, 2016. PMID 26452639
4)Cuomo-Granston A, et al : Migraine and morion sickness ; what is the link? Prog Neurobiol 91(4) : 300-312, 2010. PMID 20416353
5)Golding JF, et al : Meniere's, migraine, and motion sickness. Acta Otolaryngol 137(5) : 495-502, 2017. PMID 27918236
6)Suzuki M, et al : Graves disease with motion sickness ; a case report. Am J Med 134(7) : e424-e425, 2021. PMID 33444592
掲載誌情報