文献詳細
特集 —え、ウソ!実は◯◯だった!?—“コモンディジーズ”の診断ピットフォール
文献概要
Case
患者:45歳、男性
主訴:左下腹部痛、発熱
既往歴:尿管結石
内服:なし
状況:3次救急病院の21時すぎの救急外来である。多くの患者が来院しており、準夜勤の担当医は夕食をとることもできず空腹で疲れていたが、残り45分ほどで準夜勤が終了するところであった。
現病歴:前日から左下腹部痛が出現し、受診当日から38℃台の発熱を伴うようになったため、夜間救急外来を受診した。嘔吐や下痢はなかった。強い左下腹部痛であることを、しきりに訴えていた。
身体所見:体温38.2℃、呼吸数15回/分、血圧128/86mmHg、脈拍数95回/分。左下腹部に圧痛を認めたが、腹膜刺激症状は認めなかった。肋骨脊柱角(CVA)叩打痛は陰性だった。その他の身体所見は正常であった。
検査所見:血液;WBC 12,170/μL(Neut 82.6%)、CRP 11.97mg/dL。肝機能・腎機能は正常範囲内。尿;未実施。腹部超音波・単純CT;尿管結石はないものの、左水尿管と軽度腎盂拡張がみられた(図1)。
左下腹部痛と画像所見から尿路感染症が疑われ、経口抗菌薬を処方され、同日は帰宅となった。
患者:45歳、男性
主訴:左下腹部痛、発熱
既往歴:尿管結石
内服:なし
状況:3次救急病院の21時すぎの救急外来である。多くの患者が来院しており、準夜勤の担当医は夕食をとることもできず空腹で疲れていたが、残り45分ほどで準夜勤が終了するところであった。
現病歴:前日から左下腹部痛が出現し、受診当日から38℃台の発熱を伴うようになったため、夜間救急外来を受診した。嘔吐や下痢はなかった。強い左下腹部痛であることを、しきりに訴えていた。
身体所見:体温38.2℃、呼吸数15回/分、血圧128/86mmHg、脈拍数95回/分。左下腹部に圧痛を認めたが、腹膜刺激症状は認めなかった。肋骨脊柱角(CVA)叩打痛は陰性だった。その他の身体所見は正常であった。
検査所見:血液;WBC 12,170/μL(Neut 82.6%)、CRP 11.97mg/dL。肝機能・腎機能は正常範囲内。尿;未実施。腹部超音波・単純CT;尿管結石はないものの、左水尿管と軽度腎盂拡張がみられた(図1)。
左下腹部痛と画像所見から尿路感染症が疑われ、経口抗菌薬を処方され、同日は帰宅となった。
参考文献
1)Kunitomo K, et al : Cognitive biases encountered by physicians in the emergency room. BMC Emerg Med 22(1) : 148, 2022. PMID 36028810
2)Ramsden WH, et al : Is the appendix where you think it is ; and if not does it matter? Clin Radiol 47(2) : 100-103, 1993. PMID 8435952
3)Iino T, et al : Recurrent left lower abdominal pain due to spontaneous resolving appendicitis. Am J Med 134(4) : e283-284, 2021. PMID 33144138
4)Okur SK, et al : Right hydronephrosis as a complication of acute appendicitis. Case Rep Emerg Med 2016 : 3231862, 2016. PMID 27069699
5)Abdul Rashid S, et al : A rare case of an appendiceal mass masquerading as a pelvic tumour and causing bilateral hydronephrosis. Biomed Imaging Interv J 8(2) : e11, 2012. PMID 22970067
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