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特集 困ったときの漢方—この症状に役立ちます! 【総論】
❶—まずはこれを理解してみよう!—意外に簡単、漢方の基本的な考え方
著者: 下村裕章1
所属機関: 1しもむら内科クリニック
ページ範囲:P.377 - P.381
文献購入ページに移動効果があることがわかっても、当時東洋医学を知らない筆者は、漢方薬を処方することができなかった。そんな時にある漢方のコラムに出合った。そこには、「葛根湯は寒気があるかぜに用い、その組成のうち麻黄と桂皮で悪寒を治し、葛根と芍薬で首の張りを取り、甘草・大棗・生姜は胃を守る」とあった。漢方薬はブラックボックスではないのだと思った。漢方薬は生薬の薬能の足し算であり、どのような時に使えばよいのか決まっている、約束処方であることがわかった。生薬の薬能を理解し、それを運用するための漢方理論を理解することが、漢方薬処方の一番の早道なのである。
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