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文献詳細

雑誌文献

総合診療34巻4号

2024年04月発行

文献概要

特集 困ったときの漢方—この症状に役立ちます! 【総論】

❶—まずはこれを理解してみよう!—意外に簡単、漢方の基本的な考え方

著者: 下村裕章1

所属機関: 1しもむら内科クリニック

ページ範囲:P.377 - P.381

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 筆者が大学助手の時に、慢性蕁麻疹に罹患した。抗ヒスタミン薬、ステロイド薬を内服して、3カ月経っても全く治らなかった。ところが、ある漢方薬を飲んでみたところ、3日後に全く蕁麻疹は出なくなった。東洋医学の神秘を垣間見た瞬間であった。
 効果があることがわかっても、当時東洋医学を知らない筆者は、漢方薬を処方することができなかった。そんな時にある漢方のコラムに出合った。そこには、「葛根湯は寒気があるかぜに用い、その組成のうち麻黄と桂皮で悪寒を治し、葛根と芍薬で首の張りを取り、甘草・大棗・生姜は胃を守る」とあった。漢方薬はブラックボックスではないのだと思った。漢方薬は生薬の薬能の足し算であり、どのような時に使えばよいのか決まっている、約束処方であることがわかった。生薬の薬能を理解し、それを運用するための漢方理論を理解することが、漢方薬処方の一番の早道なのである。

参考文献

1)寺澤捷年:絵でみる和漢診療学.医学書院,1996.
2)浅岡俊之:Dr.浅岡の本当にわかる漢方薬.羊土社,2013.
3)秋葉哲生:漢方製剤 応用自在のユニット処方解説.ライフ・サイエンス,2017.
4)千福貞博:実践! 漢方診察—脈診・舌診・腹診 基本マスター.新興医学出版社,2018.
6)下村裕章,他:医師が日常に役立つ東洋医学的診断法.予防医療臨床研究会,2020.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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