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ますます増悪する意識障害
著者: 秋山由樹1 若林崇雄1 古川直幸1 石橋幹之介1 須藤大智1 渡邉智之1
所属機関: 1JCHO札幌北辰病院 総合診療科
ページ範囲:P.469 - P.470
文献購入ページに移動患者:自閉症、知的障害のある、51歳、男性。
主訴:意識障害、発熱。
現病歴:搬送4日前に階段から転落して頭部を受傷した。搬送3日前に脳神経外科を受診して頭部CTを、搬送前日に頭部MRIを撮像したが、異常を認めなかった。搬送当日朝より38℃台の発熱とSpO2低下を認めたため、当院へ搬送された。
服薬・生活歴:内服薬なし。飲酒・喫煙歴なし。
初診時バイタルサインにおいて、JCS(Japan Coma Scale)Ⅱ-30の意識障害とSpO2 96%(鼻カヌラ1L/分)の低酸素を認めた。また身体所見において、右下肺背側に吸気時のcoarse crackleを聴取した。胸部CTでは同部位に一致して浸潤影を認め、感染性肺炎と診断した。
入院後、われわれはABPC/SBT(アンピシリン・スルバクタム)3g 1日3回投与を開始した。喀痰培養からは口腔内常在菌のみ検出され、起因菌の特定には至らなかった。炎症や低酸素は速やかに改善が得られたが、JCSⅢ-100の意識障害が遷延した。意識障害の鑑別に基づき腰椎穿刺を実施したが、異常は認められなかった。このため第6病日に頭部MRIを再検査した。頭部MRI画像の拡散強調画像を示す(図1)。
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