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特集 —優柔不断にサヨウナラ!—あなたの「臨床判断」を高めるケーススタディ11選 【各論:「意思決定表」を用いた場面別ロジカルアプローチ】 「疾患/症候別」臨床判断ケーススタディ
❸感染症—静注? 内服?
著者: 伊東完1
所属機関: 1東京医科大学茨城医療センター 総合診療科
ページ範囲:P.508 - P.512
文献購入ページに移動 細菌感染症の治療として、真っ先に思い浮かぶのが「抗菌薬」である。「重症」であれば静注抗菌薬を使用し、「軽症」であれば経口抗菌薬を使用することが多い。細菌性髄膜炎や骨髄炎などは静注抗菌薬の使用が原則という例外こそあれ(COMS基準)、このあたりの判断に迷うケースは少ないだろう。しかし、「中等症」の場合はどうだろう。入院が必要かもしれないが、外来で治療を完遂することもできてしまいそうな、いわゆる“ボーダーライン”の場合だ。本稿では、症例を通して、読者のみなさんとともに「静注抗菌薬」と「経口抗菌薬」の使い分けを再考し深めることを目標とする。
参考文献
1)厚生労働省:院内感染対策サーベイランス事業. https://janis.mhlw.go.jp/(2024年4月8日現在) 〈病床数別・都道府県別に、主な細菌の薬剤耐性化状況のデータが無料公開されている〉
2)Olson RP, et al:Antibiotic resistance in urinary isolates of Escherichia coli from college women with urinary tract infections. Antimicrob Agents Chemother 53(3):1285-1286, 2009. PMID 19104022 〈米国で若年女性の尿から検出された大腸菌の約30%がST合剤に耐性を示した〉
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