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文献概要
特集 医師のウェルビーイング 【組織で取り組むウェルビーイング】
❷組織における心理的安全性とは?
著者: 加藤容子1
所属機関: 1椙山女学園大学 人間関係学部心理学科
ページ範囲:P.649 - P.652
文献購入ページに移動心理的安全性とは何か?
近年、組織のマネジメントにおいて「心理的安全性(psychological safety)」が話題になっている。この概念は、現在ハーバード・ビジネススクール教授であるEdmondsonが1999年に提唱したものである1)。彼女は複数の医療チームに対する6カ月のアンケート調査の結果、有能なチームであること(メンバー同士の尊敬、協力の度合い、パフォーマンスへの自信、満足度などが高いこと)と、ミスとの間には正の相関があるだろうという予想に反して、有能なチームであるほどミスの報告が多いことに気づいた。そしてこの現象を探究するなかで、「有能なチームのメンバーは、ミスについて率直に話す機会が多い」ことを明らかにした。
なぜミスについて率直に話すことが、チームの有能さにつながるのだろうか?
近年、組織のマネジメントにおいて「心理的安全性(psychological safety)」が話題になっている。この概念は、現在ハーバード・ビジネススクール教授であるEdmondsonが1999年に提唱したものである1)。彼女は複数の医療チームに対する6カ月のアンケート調査の結果、有能なチームであること(メンバー同士の尊敬、協力の度合い、パフォーマンスへの自信、満足度などが高いこと)と、ミスとの間には正の相関があるだろうという予想に反して、有能なチームであるほどミスの報告が多いことに気づいた。そしてこの現象を探究するなかで、「有能なチームのメンバーは、ミスについて率直に話す機会が多い」ことを明らかにした。
なぜミスについて率直に話すことが、チームの有能さにつながるのだろうか?
参考文献
1)Edmondson AC, 2018/野津智子(訳):恐れのない組織—「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす.英治出版,2021. 〈「心理的安全性」の理論・ケーススタディ・実践方法の紹介〉
2)Edmondson AC, 2012/野津智子(訳):チームが機能するとはどういうことか—「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ.英治出版,2014. 〈学習しながら実行する働き方「チーミング」についての解説〉
3)山口裕幸(監修):そうだったんだ!! 心理的安全性.永岡書店,2023. 〈社会心理学の知見も含めた「心理的安全性」のわかりやすい解説〉
4)Kets de Vries MFR, et al, 2007/橋本美博(監訳),飯田恒夫(訳):エグゼクティブコーチング—燃え尽きないために,上巻 心理学に基づくフレームワーク.ファーストプレス,2008. 〈「エグゼクティブコーチング」の研究成果と実践方法の紹介〉
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