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文献詳細

雑誌文献

総合診療34巻6号

2024年06月発行

文献概要

特集 医師のウェルビーイング 【ウェルビーイングを支える産業保健】

❷産業医の役割—管理者として知っておきたいこと

著者: 小川真規1

所属機関: 1自治医科大学 保健センター

ページ範囲:P.700 - P.703

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 医療従事者は、さまざまな健康を脅かす要因に囲まれて働いている。どんな仕事でも有害要因がゼロという業種はないが、医療現場の有害要因は多いと言えるだろう。たとえば、針刺し、感染症といった生物学的因子、抗がん薬や有機溶剤といった化学的因子、重量物や放射線といった物理的因子、その他に患者を含む人間関係や交代勤務、長時間労働などの問題が挙げられる。また、有害要因以外にも、医療現場は、他の業種同様、高年齢者の活用などの課題も存在する。
 健康を維持し働いていくには、これらの要因、課題をコントロールしていく必要があり、個人の工夫や努力は必要である。しかし、これら有害要因のなかには、個人のみでの対応では限度があるものもあり、そういった場合、組織での対応が必要となる。つまり、管理者が、個人任せのみにせず、組織としてスタッフの安全と健康を守るという認識が重要となってくる。

参考文献

1)和田耕治:総論—医療機関における産業保健活動の意義.相澤好治(監),和田耕治(編):増補新訂 医療機関における産業保健活動ハンドブック.pp2-4,産業医学振興財団,2019.
2)こころの耳:事例性.厚生労働省. https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1592/
3)厚生労働省,他:メンタルヘルス対策における職場復帰支援—心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き,改訂.労働者健康安全機構勤労者医療・産業保健部産業保健課,2020. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055195_00005.html
4)小川真規,他:関東地方の医療機関における産業保健の取り組み状況(2020年調査).産業衛生学雑誌64(1) : 32-41, 2022.
5)労働基準局安全衛生部労働衛生課:「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」について労働政策審議会から妥当との答申がありました—法人の代表者などが、自らの事業場の産業医を兼任することが禁止になります.厚生労働省,2016. https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000115152.html

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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