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文献詳細

雑誌文献

総合診療34巻7号

2024年07月発行

文献概要

特集 どうする!? 健診異常—これってホントに異常なの? どう説明する? 【総論】

❹ 健康診断/人間ドックと総合診療

著者: 宮上泰樹1

所属機関: 1順天堂大学医学部 総合診療科学講座

ページ範囲:P.770 - P.771

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 「健康診断や人間ドックには専門医がいるにもかかわらず、健診/人間ドックで総合診療医が関わることって意味があるのでしょうか?」という、この特集のそもそもの根幹を揺るがす疑問から始めたいと思います。
 その疑問を解消する入り口として、われわれ順天堂大学総合診療科の経験をご紹介します。当科の特徴の1つでもありますが、総合診療科の医師が人間ドックの結果説明を行っています。筆者自身も日常の臨床業務の合間や、大学院のベッドフリー期間では一定期間継続し、合計で3年半ほどの間、人間ドックの業務を行いました。最初は、「人間ドックの結果説明よりも、もっと救急外来や診断困難例の診療をしたいのに」と思いました。というのも、当時抱いていた人間ドックの結果説明というのが、健康なお金持ちを相手に生活習慣病に関する指導などをして、比較的ゆったり時が流れていくようなイメージで、「そんな地味なことをやるのかぁ」という気持ちも正直ありました。しかし、いざ人間ドックの結果説明を始めると悪性腫瘍が完全に否定できない時の説明の難しさや、異常所見のフォローをどの診療科に依頼するべきか、あるいは自分がどこまで精査/フォローするべきか、人間ドックの実施間隔・継続の必要性、生活習慣病を含めた患者教育をし、次の年に教育効果を確認する…などなど、語り出せばキリがないほど奥が深かったのです!

参考文献

1)Watari T, et al : Postgrad Med J 99(1178) : 1258-1265, 2023. PMID 37742090

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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