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文献詳細

雑誌文献

総合診療34巻8号

2024年08月発行

文献概要

What's your diagnosis?[260]

愛も美もない

著者: 山下新菜1 金森真紀2

所属機関: 1神戸市立医療センター中央市民病院 総合内科 2洛和会音羽病院 連携医療科

ページ範囲:P.862 - P.865

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病歴
患者:52歳、男性
主訴:咽頭痛
現病歴:受診2カ月前から咽頭痛が出現した。同時期より左側腹部に数十秒の間欠痛があったが、1週間程度で自然に収まった。受診1カ月前に近医耳鼻咽喉科を受診し、喉頭蓋に粘膜不整を伴う潰瘍性病変を認めて当院耳鼻咽喉科紹介となった(図1)。2回にわたって生検を行ったが悪性所見を認めず、当科紹介となった。
ROS陰性:発熱、鼻汁、咳嗽、下痢、血便、関節痛
既往歴:27歳時に扁桃摘出術
内服歴:なし
生活歴:直近の性交渉歴や風俗店利用なし

参考文献

1)久松理一,他:クローン病の長期予後について考える.日消誌108 : 373-380, 2011.
2)Pariente B, et al : Development of the Crohn's disease digestive damage score, the Lémann score. Inflamm Bowel Dis 17(6) : 1415-1422, 2011. PMID 21560202 〈Crohn病における腸管障害の評価方法について、従来のCDAIなどによる特定の時点における疾患活動性の評価ではなく、長期的・構造的な腸管障害の評価を提唱している〉
3)Fawaz SA, et al : Laryngeal Crohn's disease ; case report and review of literature. J Clinic Case Reports 2 : 2, 2012. 〈Crohn病の喉頭病変に関するレビュー〉
4)田邊裕貴,他;上部消化管内視鏡を用いたクローン病診断における「竹の節様外観」の臨床的意義.日消誌 113 : 1208-1215, 2016.
5)Słowińska-Solnica K, et al : Serum inflammatory markers in the diagnosis and assessment of Crohn's disease activity. Arch Med Sci 17(1) : 252-257, 2021. PMID 33488879 〈Crohn病におけるCRPは感度59%と高くはない〉
6)Magro F, et el : C-reactive protein in Crohn's disease ; how informative is it? Expert Rev Gastroenterol Hepato 8(4) : 393-408, 2014. PMID 24635486 〈疾患活動性の高い患者(CDAI>200)でも、10%がCRP正常であったとの報告〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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