文献詳細
文献概要
特集 ストーン・ウォーズ 果てしなき“石”と医師との闘い 【疾患別各論〜レアな疾患群】
❸石灰沈着性頸長筋腱炎
著者: 土田知也1
所属機関: 1調布東山病院
ページ範囲:P.906 - P.907
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患者:57歳、男性。
現病歴:来院前日より左頸部起始部の痛みを自覚した。痛みは上方へ広がり、嚥下痛の他、頸部の回旋運動が不可能となり来院した。来院時、痛みのため苦悶様表情をしており、頭頸部には特記すべき身体所見の異常はなかった。頸椎CT検査を施行したところ、第1・2頸椎の前方尾側に石灰化を認めた(図1矢印)。石灰沈着性頸長筋腱炎の診断でロキソプロフェン60mg 1回1錠1日3回(毎食後)を処方したところ、1週間後には痛みは最強時に比べて半分程度に改善し、2週間後には症状は消失した。
患者:57歳、男性。
現病歴:来院前日より左頸部起始部の痛みを自覚した。痛みは上方へ広がり、嚥下痛の他、頸部の回旋運動が不可能となり来院した。来院時、痛みのため苦悶様表情をしており、頭頸部には特記すべき身体所見の異常はなかった。頸椎CT検査を施行したところ、第1・2頸椎の前方尾側に石灰化を認めた(図1矢印)。石灰沈着性頸長筋腱炎の診断でロキソプロフェン60mg 1回1錠1日3回(毎食後)を処方したところ、1週間後には痛みは最強時に比べて半分程度に改善し、2週間後には症状は消失した。
参考文献
1)大塚雄一郎,他:石灰沈着性頸長筋腱炎の8例—その鑑別診断と治療について.日耳鼻会報 116(11) : 1200-1207, 2013.
2)Hartley J : Acute cervical pain associated with retropharyngeal calcium deposit ; a case report. J Bone Joint Surg Am 46 : 1753-1754, 1964. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14239862
3)Ring D, et al : Acute calcific retropharyngeal tendinitis ; clinical presentation and pathological characterization. J Bone Joint Surg Am 76(11) : 1636-1642, 1994. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7962023
4)木村寛,他:石灰沈着性頸長筋腱炎症例と受診診療科の文献的考察.耳鼻と臨60(4) : 129-135, 2014.
5)Park R, et al : Retropharyngeal calcific tendinitis ; case report and review of the literature. Semin Arthritis Rheum 39(6) : 504-509, 2010. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19540570
6)Offiah CE, et al : Acute calcific tendinitis of the longus colli muscle ; spectrum of CT appearances and anatomical correlation. Br J Radiolo 82(978) : e117-e121, 2009. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19451311
7)増田文子,他:咽後膿瘍と鑑別を要した急性石灰沈着性頸長筋腱炎の2症例.耳鼻展望 52(5) : 300-306, 2009.
8)山下ゆき子,他:咽後膿瘍と鑑別を要した石灰沈着性頸長筋腱炎の3例.日耳鼻会報 119(7) : 955-961, 2016.
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