総合診療34巻8号

2024年08月発行

特集 ストーン・ウォーズ 果てしなき“石”と医師との闘い 【疾患別各論〜レアな疾患群】

⓬進行性骨化性線維異形成症（FOP）

著者： 八木夏希¹

所属機関： ¹前橋赤十字病院 小児科

ページ範囲：P.920 - P.920

CASE
患者：生下時より両側外反母趾のある女児。
現病歴：1歳時に誘因なく前頸部の皮下腫瘤が生じた。腫瘤は5×2cm大で硬く、数日で急速に増大した。全身CT検査で頸部の他に腫瘤は認めず、頸部MRI検査（図1）、開放生検、骨髄検査を行ったが、診断に至らなかった。腫瘤は約2カ月で自然に縮小したが、その2カ月後に右肩甲骨周囲に新たな皮下腫瘤が生じ、遺伝子検査で「進行性骨化性線維異形成症（fibrodysplasia ossificans progressiva : FOP）」と確定診断した。

参考文献

1）Kaplan FS, et al : The medical management of fibrodysplasia ossificans progressiva ; current treatment considerations. Proc Intl Clin Council FOP 1 : 1-111, 2019.〈FOPの疾患総論や診断、治療、医学的な注意事項について書かれている〉

2）進行性骨化性線維異形成症（FOP）に関する調査研究班：FOPとは？ http://fop.umin.jp/fop.html

3）Pignolo RJ, et al : The natural history of fibrodysplasia ossificans progressiva ; a prospective, global 36-month study. Genet Med 24（12） : 2422-2433, 2022.〈FOPの発症から症状経過について書かれている〉https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36152026

4）藤本和弘，他：先天性外反母趾の1例．中国・四国整形外科学会雑誌 25（1） : 31-35, 2013.〈FOPに合併する先天性外反母趾について書かれている〉

5）片桐岳信，他：進行性骨化性線維異形成症．日臨 81（増刊号1） : 621-626, 2023.〈異所性骨化の発生機序やFOP治療薬の開発について書かれている〉