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文献詳細

雑誌文献

総合診療34巻9号

2024年09月発行

文献概要

特集 今伝えたいクリニカル・パール—つくり方、使い方、活かし方 【“あの先生”のクリニカル・パールMy Best 3】

❷大切にしているパール

著者: 植西憲達1

所属機関: 1藤田医科大学 救急総合内科

ページ範囲:P.1008 - P.1011

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My Bestクリニカル・パール❶その対症療法に向けた情熱を病歴にそそげ
 筆者は集中治療医(兼総合内科医)としてICUで勤務しています。ICUでは人工呼吸器、体外循環、血液透析(浄化)に代表されるような“積極的な”治療がいろいろと行われます。そして、こういった治療を適切かつ安全に行うには相当のトレーニングを必要としますし、ICUで医師たちは多くの時間をこういった治療に使います。
 ICUでは当然ながら疾患の重症度や緊急性が高く、さまざまなことを同時に行う必要があり、患者入室時などは非常にバタバタとします。いろいろな処置の準備や施行、患者や家族からの同意書の取得や説明、各部門への連絡、必要な科への相談、場合によっては緊急手術や処置の準備、いろいろな薬剤のオーダーなど、あっという間に時間が経過します。ところが注意しないと、この多忙な業務の中でついつい病歴の確認が後回しになってしまうことがあり、それで診断が遅れてしまうということが起こりえます。ICUで行われる治療は、生命を維持するためにとても重要な治療です。しかし、忘れてはいけないことはこれらの治療の多くは全身管理という名の対症療法です。この対症療法は生命維持のために重要なのですが、同じくらい原因疾患を診断してその根治治療を行うことが重要なのは言うまでもありません。「適切な診断と治療」。これがないと、患者の多くは助かりません。ICUでは全身管理と診断(と診断に基づいた根治治療)の両輪を回すことが重要なのです。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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