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文献詳細

雑誌文献

循環器ジャーナル65巻2号

2017年04月発行

文献概要

特集 心電図診断スキルアップ Ⅰ.心電図検査の基本と活用法—活用するうえでのノウハウを知る

運動負荷心電図・薬物負荷心電図—確実な診断と,安全な負荷を行うために

著者: 森田宏1

所属機関: 1岡山大学大学院医歯学総合研究科先端循環器治療学講座

ページ範囲:P.206 - P.216

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Point
・重篤な疾患の急性期や病態によって,絶対的禁忌や相対的禁忌があり,負荷をする前に,意義付けをよく検討して行う必要がある.負荷開始後も血圧や脈拍,心電図変化や患者状態を把握し,危険な徴候がある場合には,負荷中止を迷わないようにする必要がある.
・虚血性心疾患の診断ではST低下の判定が重要である.いずれの負荷試験においても基線より0.1mV以上の水平型,下降型のST低下が虚血と判定される(負荷前よりST低下がみられる場合は0.2mV).運動負荷に偽陽性,偽陰性があることも理解しておく必要がある.
・カテーテルアブレーションの普及により,不整脈の診断,治療効果のための運動負荷試験の施行が増えている.不整脈を目的とした検査以外の通常の負荷試験においても予想外に重篤な不整脈(心室頻拍,細動)が出現することがあり,すぐに対処できる環境を整えておく必要がある.

参考文献

1) Fletcher GF, Ades PA, Kligfield P, et al:Exercise standards for testing and training:a scientific statement from the American Heart Association. Circulation 128:873-934, 2013
2) 川久保清:運動負荷心電図 その方法と読み方第2版.医学書院,東京,2010
3) 上嶋健治:運動負荷試験Q & A 119.南江堂,東京,2013
4) 循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2007-2008年合同研究班報告)冠動脈病変の非侵襲的診断法に関するガイドライン.日本循環器学会,東京,2009
5) 循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2009年度合同研究班報告)慢性虚血性心疾患の診断と病態把握のための検査法の選択基準に関するガイドライン(2010年改訂版).日本循環器学会,2009
6) 循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告)QT延長症候群(先天性・二次性)とBrugada症候群の診療に関するガイドライン(2012年改訂版).日本循環器学会,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2432-3292

印刷版ISSN:2432-3284

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