循環器ジャーナル66巻1号

2018年01月発行

特集 循環器診療　薬のギモン—エキスパートに学ぶ薬物治療のテクニック

Ⅳ．不整脈診療でのギモン

高齢者の抗凝固療法はどうしたらいいの？

著者： 井上耕一¹

所属機関： ¹桜橋渡辺病院心臓血管センター

ページ範囲：P.100 - P.107

文献概要

Point
・高齢者では血栓塞栓症リスクが高いため年齢のみを根拠として抗凝固療法を中止することは推奨されない．
・出血リスク因子の管理を厳密に行うことで出血のリスクを減らすことに注力する．
・高齢者においては，心房細動よりも，併存疾患と全身状態のほうが予後に与える影響が大きい．
・フレイル患者では抗凝固療法の有効性は確立しておらず，抗凝固療法の是非を症例ごとに考える．