循環器ジャーナル70巻2号

2022年04月発行

特集 循環器薬の使い方—使い分け，モニタリング，導入・中止のタイミング Ⅲ章　不整脈

まだ使えるⅠ群抗不整脈薬

著者： 今井靖¹²

所属機関： ¹自治医科大学循環器内科学部門 ²自治医科大学臨床薬理学部門

ページ範囲：P.275 - P.281

Point
・Ⅰ群薬はナトリウムチャネルを主体に遮断する薬剤であり，活動電位持続時間を延長させるⅠa群，短縮させるⅠb群，変えないⅠc群とに分けられる．
・Ⅰb群のキシロカイン，メキシレチンは心室性不整脈のみに使用する．
・Ⅰa，Ⅰc群は心房・心室性不整脈に使用されるが，器質的心疾患，心不全例では使用を避ける．
・腎排泄性の薬剤が多いため，腎機能低下例，高齢者では，その使用および用量に注意を要する．

参考文献

1）日本循環器学会，日本不整脈心電学会：2020年改訂版 不整脈薬物治療ガイドライン．2020

2）Task Force of the Working Group on Arrhythmias of the European Society of Cardiology : The Sicilian gambit. A new approach to the classification of antiarrhythmic drugs based on their actions on arrhythmogenic mechanisms. Circulation 84 : 1831-1851, 1991

3）Kirchhof P, Camm AJ, Goette A, et al : Early Rhythm-Control Therapy in Patients with Atrial Fibrillation. N Engl J Med 383 : 1305-1316, 2020