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突然の意識障害―緊急検査と応急処置
acute disturbance of consciousness:clinical examination and emergency care
横堀將司
(日本医科大学大学院教授・救急医学)

◆病態と診断

・意識障害は頭蓋内病変だけではなく,内科的疾患,中毒や薬剤,環境異常などの外因あるいはバイタルサインの異常でも生じる.

・常に気道・呼吸・循環の安定化を最優先する.

・意識レベルはJCSもしくはGCSで評価する.

A病態

・意識は,医学的に“生体がその環境に気づいている状態”や“周囲の環境を認識する状態”とされている.意識は主に下部延髄から橋・中脳・視床下部網様体に至る神経線維,いわゆる上行性網様体賦活系(ARAS:ascending reticular activating system),およびそれらが大脳に投射する総合的な神経路によって維持されている.したがって,脳幹,あるいは大脳の広範な機能障害で意識は障害される.

1.意識障害の原因

 意識障害は頭蓋内病変だけではなく,呼吸や循環,体温などのバイタルサインの異常でも生じる.頭蓋内病変による場合は,片麻痺などの神経学的局在症状(巣症

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