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けいれん
convulsion
久保田有一
(東京女子医科大学附属足立医療センター教授・脳神経外科)

GLてんかん診療ガイドライン2018

ニュートピックス

・2021年,成人のてんかん重積に対しミダゾラム(ミダフレッサ注)の適応が通り,治療の選択肢が増えた.

治療のポイント

・けいれん=てんかんではない.

・けいれんは,さまざまな原因により起こるため,その原因を調べ,必要に応じその治療も併せて行う.

・けいれん初期対応は,A(気道)・B(呼吸)・C(循環維持)を確保し,モニタリング下,ベンゾジアゼピンの投与である.

・ベンゾジアゼピンは,作用時間が短いため,作用時間の長い抗てんかん薬を投与する.

・心因性のけいれんもあり,薬剤には反応しづらい.

◆病態と診断

A病態

けいれんは,一定のリズムで筋の収縮・弛緩を繰り返す症状である.

・けいれんは,さまざまな原因で起こる.原因として,発熱,アルコールの離脱,てんかん,急性期中枢性疾患(脳卒中,頭部外傷,炎症性疾患など),代謝性(血糖異常,血清Na異常,尿毒症,肝機能障害),薬剤性,心因性などが鑑別に挙げられる.

・けいれんは,大脳の神経細胞の異常な興奮によって起こるが,皮質下や,筋起源のけいれんもある.

B診断

・四肢の一部,もしくはすべてがけいれんしていることにより診断は可能である.

・けいれんには,強直性(つっぱり),間代性(がくがく)といったものが含まれるが,通常は,強直性から間代性に移行する.

・けいれんが5分以上続いた場合には,けいれん性てんかん重積と診断する.

◆治療方針

 けいれんは,通常は1~2分で頓挫するので,基本的には観察,患者の安全の確保が重要である.けいれんが自然頓挫せず,継続している場合には,以下の薬剤を使用する.

 また,日本神経学会の「てんかん診療ガイドライン2018」の「第8章てんかん重積状態」を参照されたい.

A初期治療

 まずは,けいれんの開始時間を確認し,患者を安全な場所へ移動させる.そのうえで以下の薬剤を投与する.

 その場合,蘇

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