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循環血液量減少性ショック(出血性ショックを含む)
hypovolemic shock(including hemorrhagic shock)
溝端康光
(大阪公立大学大学院教授・救急医学)

ニュートピックス

・外傷患者が大量出血により循環破綻状態に陥っている場合には,細胞外液の投与を制限し,大量輸血プロトコール(MTP)を開始するとともに,すみやかに蘇生的緊急止血術と確実な気道確保を実施する.

治療のポイント

・ショックの有無は収縮期血圧と脈拍数のみでなく,四肢の冷感,湿潤などの身体所見や代謝性アシドーシス,血清乳酸値,時間尿量なども用いて評価する.

・ショックの原因病態の鑑別には超音波検査装置を用いる.

・外傷の大量出血では,臓器損傷とショックそのものが血液凝固障害を引き起こすため,赤血球液製剤に加え新鮮凍結血漿と濃厚血小板製剤を投与して血液凝固能の改善をはかる.

◆病態と診断

A病態

・循環血液量減少性ショックは,循環血液量が減少することにより,左室拡張末期容量が低下して1回心拍出量が減少することで全身組織への血液灌流が低下する病態である.

・1回心拍出量の減少を代償するために頻脈になると

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