頻度 割合みる
治療のポイント
・まず,ビタミンB1 欠乏症の存在を疑うことが治療の始まりである.特に慢性下痢,利尿薬連用,アルコール依存症,炭水化物の偏食,長期の中心静脈栄養中や消化器術後の患者は注意を要する.
・症状が重篤(心不全症状,治療抵抗性の進行性乳酸アシドーシスや意識障害など)であれば,すみやかにビタミンB1 を経静脈的に補充する.
◆病態と診断
A病態
・ビタミンは生体の生存,成長に不可欠な炭水化物,脂肪,蛋白質以外の栄養素(有機物)であり,このうちビタミンB1 は水溶性のビタミンの1つで,生体内では解糖系の補酵素としての役割がある.解糖系での最終産物であるピルビン酸をアセチルCoAに変換するために必要な酵素であるため,不足するとピルビン酸はTCA回路へ進まずエネルギー産生ができなくなり,乳酸が蓄積することになる.
BビタミンB1 欠乏症の症状
・糖代謝にエネルギーの多くを依存する神経系や心