頻度 情報なし
治療のポイント
・過換気症候群は救急外来で遭遇する頻度の高い症候群である.過換気症候群と診断する前に,代謝性アシドーシスによる呼吸性代償など,ほかの重症病態がないかを慎重に確認することが重要である.
◆病態と診断
A病態
・過換気症候群は不安や緊張により呼吸が速くなり(過呼吸),血液中の二酸化炭素分圧が低下した結果,呼吸性アルカローシスとなって生じるさまざまな症状を指す.
・過呼吸にもかかわらず呼吸困難(息の吸いにくさ)を訴え,30回/分以上の著しい頻呼吸と不穏状態になることもある.
・呼吸性アルカローシスによって血管れん縮が生じ,頭痛やめまい,四肢のしびれを訴えるほか,筋肉のけいれん(テタニー)や“助産師の手”とよばれる特徴的な手の硬直がみられる.
・これらの症状によって患者の不安や緊張がさらに強まり,過呼吸が助長されるという悪循環に陥る.
B診断
・呼吸困難,動悸,胸痛,頭痛,めまいなど多