今日の診療
治療指針

消化管異物
foreign body in the digestive tract
谷合信彦
(日本医科大学武蔵小杉病院教授・消化器外科)

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治療のポイント

・食道に停滞する異物(食物の嵌頓)は緊急摘出する.

・鋭利な異物,ボタン電池,磁石など放置すると穿孔や損傷の危険性があるものは内視鏡的あるいは手術的に摘出する.

◆病態と診断

A病態

・異物の多くは経口的な誤飲によるものであるが,意図的に嚥下されたものや経肛門的に挿入されたものもある.

・約80%は小児例で,硬貨,ボタン電池,磁石,遊具などが誤飲されやすい.

・成人例では高齢者,精神疾患患者,歯科治療中,飲酒の酩酊状態などに多く,魚骨,義歯,PTP(press through package),食物塊などである.

・経口的に侵入した異物のうち,80~90%は自然排出され,10~20%が内視鏡的に摘出され,約1%が外科的処置を必要とされる.

B診断

・病歴聴取と身体診察を十分行う.症状はつかえ感,嚥下により悪化する胸痛,唾液の増加,嘔気などがある.

・X線非透過性の異物では内視鏡検査

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