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治療のポイント
・気道に入った液体により肺の酸素化が悪化し,酸素投与や人工呼吸器管理を要する場合がある.
・淡水溺水でも海水溺水でも治療内容や予後に影響はない.
・溺水の受傷形態によっては,頭部外傷や頸椎/頸髄損傷などの外傷の合併にも注意を払う必要がある.
・脳血管障害や不整脈などの心疾患が溺水の誘因となる可能性も考慮する.
◆病態と診断
A病態
・溺水は液体が気道内に吸引され窒息/呼吸障害をきたした状態である.
・気道内に吸引された液体そのものや,サーファクタントの喪失,肺毛細血管-肺胞の透過性の亢進などの複合作用により,肺コンプライアンスの低下,右-左シャントの増大,無気肺,および非心原性肺水腫が生じる.
・水没時間が長い場合,低酸素性の心機能障害をきたす場合がある.
・低張性(淡水)溺水でも高張性(海水)溺水でも治療内容や予後に影響はない.
・水没時間が長ければ低酸素から心停止に至る.