治療のポイント
・non-responderおよびtransient responderは開腹止血術を優先する.
・responderでは造影CTにて外傷性動脈瘤損傷形態分類を確認する.
・responderでは確認された血管外漏出像や外傷性動脈瘤に対して経カテーテル動脈塞栓術(TAE)を行う.
・responderの多くは非手術療法(NOM)を完遂できる.
◆病態と診断
A病態
・肝臓は生体内最大の実質臓器であり,心拍出量の25%の血液が流入する.したがって,外力を受けると肝実質だけでなく,それを取り巻く血管も損傷を受ける場合があり,時に大出血を引き起こす可能性がある.
・一方,大部分の器官は右側を中心に胸腔下に格納・保護されており,緊急開腹術に至る頻度を減じている.また,肝臓の表面は50μmほどの厚い漿膜で覆われ,外力に対して抵抗性があり,実質内だけの損傷を負うこともある.
B診断
・ERにおける重要ポイ